首位を走るチームの中で、大瀬良大地の奮闘が目立った。登板4試合目までは2勝2敗。与四球も多く制球に苦しんだが、そこから4連勝と加速した。5月5日のヤクルト戦(神宮)では1失点で自身3年ぶりの完投勝利。チーム一番乗りとなる快投を演じた。
「こどもの日ということで、子どもたちに夢を与えられる投球ができたらと思っていた。疲れはあったが、点差もあったし最後まで投げるつもりだった」
続投を意味する9回の打席に向かうときには、神宮のカープファンから大歓声。「あれでまた頑張ろうと思えた」と後押しされ、今季最多123球を投げ抜いた。
この白星でヤクルト戦は無傷の8連勝。広島では黒田博樹が阪神戦で97年8月から02年8月まで足かけ6シーズンで8連勝していたことがある。尊敬する先輩に並び「うれしいこと。また次勝てるように」と発奮材料にして、1週間後の阪神戦も5勝目をゲット。
7回1失点のほか、打っても先制となる決勝二塁打と二刀流の活躍だった。その後、5月19日のヤクルト戦(マツダ広島)でも勝って、ヤクルト戦の連勝は9に伸ばした。
開幕投手の野村が背中の張りで4月末に離脱。投手陣の軸と期待された薮田も不振が続いている。そんな中で大瀬良は岡田、中村祐とともに先発陣を支えている。
かねて投手陣の不安を口にしてきた緒方監督からも「やっと持ち直してきたね」と前向きなコメントが出るようになった。昨年に先発復帰して3年ぶり10勝を挙げた5年目右腕。心身ともに充実期を迎えようとしている。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)