カープに鯉

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カープとファンの幸せな距離感、菊池涼介が伝えたい「ありがとう」

2017年10月7日

カープとファンの幸せな距離感、菊池涼介が伝えたい「ありがとう」

マツダスタジアムには仕事で何度も足を運んでいるが、この夏は友人たちとプライベートで行ってみた。

そもそも、熱心なカープファンの友人からお誘いがあったのは、3月に入ってすぐのこと。「8月のこの日って空いてる?」と聞かれても、そんなに先の予定はわからないから困ってしまった。事情を問うと、チケットは3月の発売開始とともに1シーズン分の全席がほぼ完売してしまうという。

幸いにもその日は編集部の夏休みとも重なり、貴重なチケットを無駄にせずに済んだ。

いつものことながら、今回も新幹線で広島駅に降り立ったとき、目に飛び込んでくる赤いユニフォームの多さに驚いた。そこでは老若男女問わず、ファッションとしてカープが溶け込んでいる。駅ビルのお土産売り場では、女性の店員が揃ってカープユニ。思わず「会社から支給されるんですか?」と尋ねたら、「私物です」と笑顔で返された。

ここでは全国チェーンの店も、カープ色に染まっている。コンビニにはカープ応援グッズの棚が設けてあるし、マクドナルドは「試合のある日はチキンナゲット割引」をうたっていた。「力舞吼フェイスシール」を買って、いざスタジアムへ。

満員のカープファンが不満をぶつけることはなかった。

肝心の試合はといえば、先発の福井優也が5回に制球を乱して敗れてしまった。

通路のモニターには、ベンチに下がった福井が悔しそうにグラブを叩きつける場面が映し出されていた。その映像を、カープファンの少年が食い入るように見つめていた。それは、その悔しさを自分も共有しているかのように見えた。

結局、この日の満員のカープファンたちはトボトボと帰路に着くわけだが、誰もグラウンドに向けて不満をぶつけることはなかった。

選手を信頼こそすれ過剰な期待はないように映る。

カープファンの様子を見ていると、選手を信頼こそすれ過剰な期待はしていないように映る。それはBクラスが長かったことで戒めの気持ちを持っているからなのか、それとも勝負事の不条理を理解しているからなのか。

選手も能力が高くて魅力的な面々は揃っているものの、かつてのSHINJOのようにファンサービスを熟知したエンターテイナーがいるわけではない。それでも12球団屈指の声援が送られるのは、なぜなのか。

そんな思いを持ってスタートしたNumber936号「カープの時代」の製作。菊池涼介の取材の中で、その答えの一端を見つけた気がした。

「ありがとうって言いたいんよ、本当は」

菊池はチーム内で盛り上げ役を買って出ているが、グラウンドでファンに向けて笑顔を見せることはない。それは決して愛想がないからではなく、ある信念に基づいた行動だった。

「右手を上げてね、ありがとうって言いたいんよ、本当は。でも、そこには責任がある。打てなかったら、ミスしたら、応援してくれた人たちに申し訳ないでしょ」

たとえ試合に敗れたとしても、チームメイトに対しては声をかけて切り替えを促すことができる。むしろ、それは菊池の役割だ。昨年のNumber911号「カープの魂」でも「僕らが沈んじゃダメだ。上を向いて、前を向いて。明るく元気に」と、敗戦後のバスの車内で明るく振る舞っていることを明かしていた。

しかし、ファンに対して敗戦後にそんなアプローチをとることはできない。ファンにとっては、グラウンドにおける姿がプロ野球選手のすべてだ。それならば、声援に手を振って応えたい気持ちをグッとこらえて、試合に集中している姿を見せた方がいい。

9月16日、今度は仕事でマツダスタジアムに赴いた。マジック1としながら翌日は台風の接近が予想されており、本拠地で優勝を決めるためにはこの日のヤクルト戦がラストチャンスとなる可能性が高かった。午前中まで降っていた雨は30分遅らせた試合開始の頃には上がり、球場は異様なムードに包まれていた。

「負けちゃったけど、雑誌作りに生きたなら……」

菊池が執念を見せたのは、3回の攻撃だった。0-0と同点での1死一、二塁で、2番・菊池が放った打球はボテボテのゴロで二塁手の前へ。こういう打球で、最近の菊池はよく一塁へヘッドスライディングをする。それは気迫の表れでもあるが、一方で故障を抱える下半身への負担軽減の意味もあった。

だが、このときは一塁を最後まで駆け抜けて内野安打をもぎ取った。続く3番・丸佳浩に2点タイムリーが生まれ、ついにスワローズをリードする。傍目にはわかりづらいが、何としても本拠地優勝を決めたいという菊池の思いが結実したように見えた。

そう上手くいかないのも野球の面白いところで、カープは終盤に逆転を許して敗れてしまう。ただ、多くの球場スタッフは最後まで優勝セレモニーの準備の手を緩めなかったし、ときどき立ち止まっては試合の状況を流しているモニターに祈るような眼差しを向けていた。

試合終了後に広島駅に向かう道中でも怒号が飛び交うなんてことはなく、誰もが赤いユニフォームを着たまま再び降り始めた雨に静かに打たれていた。

その2日後、カープは敵地・甲子園で連覇を達成。無事に雑誌の校了を終えて前述の友人に改めて8月のチケットのお礼を述べると、こんなことを言われた。

「あの試合は負けちゃったけど、雑誌作りに生きたなら良かったよ」

選手がグラウンドで一生懸命に戦っているからこそ、無駄な敗戦がないことをファンも十分に理解している。カープの選手とファンの独特な関係は、根底でそうした気持ちを共有することで成り立っているのではないかと感じた秋だった。

(※引用元 Number Web

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