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ドラフト1位・中村奨成、女手一つで育てた母は『元祖・カープ女子』

2017年12月2日

ドラフト1位・中村奨成、女手一つで育てた母は『元祖・カープ女子』

今夏の甲子園で1大会6本塁打を放ち、PL学園・清原和博の記録を32年ぶりに更新した「怪物」こと中村奨成(18・広陵)は、広島県西部の瀬戸内海に面した港町、世界文化遺産の厳島神社がある廿日市市に育った。母、妹、祖父、祖母の5人家族。自宅は広島カープの大野寮から徒歩5分という近所にある。

中村が3歳の時に両親が離婚。看護師として女手一つで育てた母の啓子さん(45)は、熱狂的な広島ファン。今でいう「カープ女子」だ。「子どもに野球以外させたくなかった」と言う啓子さんに連れられた中村は、小学1年で軟式少年野球チーム「大野友星」に入団。野本賢治監督(50)は当時をこう振り返る。

「性格はやんちゃというか、誰かにちょっかいを出して逆に泣かされたり、元気で明るい子でしたよ。お母さんにはベッタリで、甘えん坊なところもあった。お母さんが『カープの試合(ナイター)を見に行くので(午後)3時にあがります』と言って練習中に奨成を連れて帰っちゃうこともありました。

母子家庭といっても、『カッコいいから』とハイネックのアンダーシャツを買ってもらったり、キャッチャーミットにしても、チームの物があるんですが、奨成はお母さんに買ってもらった自分のミットを持っていました。内情は分かりませんが、表向きは苦労しているようには見えませんでしたね」

■ゴロよりフライ

5年生になると急激に体が大きくなり、頭角を現し始めた。そこに「怪物」の原点となった野本監督の指導方針がミックスされた。

「バットを思い切って振ってゴロではなく、フライを打つ。できるだけ遠くへ飛ばそうと。フライの凡打はOK。ホームランと紙一重と言いました。奨成は足があるので、左打ちにして内野安打で稼ごうという指導者がいても不思議ではありませんが、ウチはゴロを転がして相手のエラーを誘い、足で点を取るという方針ではありません。

足があるなら、打球を飛ばしてランニングホームランで1周してこいと。1対1の勝負に勝つことが野球の原点。奨成には右でドカンと大きいのを打てる子になって欲しかった。甲子園でホームランを打った時のスイングの軌道は、当時とほとんど変わっていないんです」(野本監督)

中学時代に所属した軟式野球チーム「大野シニア」の田中一志代表(55)が話を引き取る。

「小6で入団した当時から肩が強かった。試合でイニング間の投球練習の最後に捕手が二塁へ送球するでしょう。あれを見れば相手チームは盗塁を仕掛けてきません。中2の時に投手をやりたいと言うのでやらせたら134、135キロ。速いけどストライクが入らない」

打ってはこれから本拠地になるマツダスタジアムで、特大の打球を放った。田中代表が続ける。

「中3の試合でレフトの頭を越してウオーニングゾーンまで飛ばし、ワンバウンドでスタンドに入れた。硬球に比べ、軟球は飛ばないので覚えています。お母さんは熱心な方で、息子はいなくても今でも試合の応援に来てくれるんですよ。母子家庭の悲愴感みたいなものは感じませんでしたが、物は大事にしていましたね。

チームが買ったキャッチャーミットがあって、奨成は『ぶち(すごく)いいじゃないですか』と言いながら、試合では入団当時の自分のミットを大事に使っていました。勉強は苦手で、中学の先生に『勉強にも興味を持つよう言ってください』と頼まれたこともあります(笑い)」

これからは野球1本で母親孝行する。

(※引用元 日刊ゲンダイ

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