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機動力のカープで、鈍足の4番が光る!松山「新井さんゆっくりして」

2017年12月26日

機動力のカープで、鈍足の4番が光る!松山「新井さんゆっくりして」

広島野球の伝統、といえば、機動力野球だろう。

今季新たに4番を務めた鈴木誠也は“走れる4番”として、自己最多タイの16盗塁を記録した。1番から4番まで走れる選手が並ぶ打線は相手にとっては脅威であり、リーグ最多112盗塁を誇る機動力野球がリーグ最多得点の打線を活性化させた。

球団史を紐解いても、走れる4番は珍しくない。黄金時代の主砲・山本浩二氏は通算231盗塁を記録し、ビッグレッドマシンと呼ばれた1990年代の広島4番・江藤智氏(巨人打撃コーチ)も打点王を獲得した1995年は14盗塁を記録している。

だが今季終盤、鈴木離脱によって4番を任されたのは、鈴木とタイプが異なる松山竜平だった。

「打てないデブは、ただのデブだぞ」(丸)

176センチ98キロの体格。昨年までプロ9年で4盗塁のみの鈍足の選手だ。

4月13日巨人戦(東京ドーム)前、同期入団の丸佳浩に「打てないデブは、ただのデブだぞ」ときつい激励をもらったこともある。9連勝の好スタートを切ったチームの中で松山は1人、初打席から10打席無安打と流れに乗れていなかった。入団時から松山を知る丸だからこそ言えた言葉に、松山は9回の代打同点本塁打で応え、そこから調子を上げた。

鈴木が離脱した9月以降は、4番として4割を超える打率を残し、5本塁打、23打点と打線をけん引した。

「打てば、使わざるを得ない。いくら機動力と言っても、打てない選手は使われない。それは足が速い、遅いとは違う。打てれば使ってもらえるし、打って塁に出ないことには点は入りませんから」

今季打撃成績の打率.326、14本塁打、77打点はシーズン自己キャリアハイの数字。なお盗塁は0だった。

実戦形式で結果を残したのに広島に帰らされた。

走攻守3拍子揃った選手が多く揃う広島野手陣の中で、松山はバット1本で自らの立場を切り開いてきた。

入団してしばらくは二軍が主戦場。足が速ければ、代走要員として一軍ベンチに入れてもらえる。守備力があれば守備固めとしても計算できる。だが、打力で勝負する選手にとっては、打つか打たないかがすべて。経験が浅ければ代打要員としても物足りない。

思うように結果が出ない日々に気持ちばかりが焦り、結果を求めて大きく上げていた右足をすり足に変えたり、足幅やグリップの高さを変えたりと試行錯誤の悪循環。好不調の波は大きく、シーズンの中で何度も打撃フォームも変えていた。

迷いは、プレーにも表れていた。

野村謙二郎氏が監督に就任した2009年秋季キャンプでは、実戦形式で結果を残しながら広島に帰らされることもあった。

入団4年目の2011年にプロ初本塁打を記録し、翌年はオープン戦で首位打者となりながらも、シーズンはスタートにつまずくなど打率.204と低空飛行のまま終えた。

プロで生き抜くためには打力を磨くしかなかった。

打力を磨く。松山がプロで生き抜くためには、それしか道はなかった。まずは打撃の幹を根付かせるため、方向性を定めた。

右足を大きく上げ、L字を描きながら踏み込んで持ち味である長打力を生かす形だ。すぐに好結果に結びついたわけではないが、地道に続けることでフォームの無駄が省け、安定感が生まれてきた。

2012年には4番を初めて任され、2013年に初のシーズン2桁本塁打を記録。左の長距離砲として存在感を発揮し始めた。左の代打としてだけでなく、左翼や一塁でスタメン起用されるなど一軍に欠かせない戦力となった。

足が遅くても、次の塁を狙うという姿勢は持つ。

機動力野球を標榜するチームの中で、走塁への意識が低いわけではない。広島の機動力野球は俊足選手ばかりのものではない。ベテランや外国人選手にも積極的に次の塁を狙う意識が徹底されていることにある。松山も足は速くないが、走塁への意識はある。

「足が遅くても、次の塁を狙うという姿勢は持っている。当然手を抜いて走ろうと思ったことなんてない。1点を取ろうと思えばケガを恐れていてもいけない。前の走者が出れば僕らが返す意識は持っている。下位打線でも足が速い選手がいれば、僕らが出ても次の塁を狙おうとはする」

バットで今のポジションを奪い取ったものの、それだけではない。広島野球の1つのピースとなるために、やらなければいけないことはある。

「新井さんの姿を見て、これが4番なんだと思った」

2015年に広島に復帰した新井貴浩の存在が、松山の打者としての本能を駆り立てた。

新井はバット1本で日本を代表する選手に上りつめた。松山と同じ大卒から7年目の’05年に本塁打王を獲得。FA移籍した阪神での7年を経て広島復帰しても、その存在感は際立っていた。頼れる信頼感と、ここぞの勝負強さ。打者としての重みを感じた。

「新井さんの姿を見て、これが4番なんだと思った。自分も新井さんから4番を奪いたい」。やはりバットだけでも、強い存在感を発揮できる――。

鈴木と新井に臨む来季は、秋季練習から新井がいる一塁に本格挑戦する。これまでも外野と一塁を守っていたが、今季5試合という一塁での出場数が首脳陣からの信頼の薄さを物語る。一塁を守れるようになれば起用の幅は広がり、目標に掲げる全試合出場も見えてくる。

成功と失敗、ケガや歓喜により、年輪を重ねた幹は大きな柱となった。

「新井さんにゆっくりしてもらおうと思います」

広島の機動力野球の中で大きな重しとなる存在へ。機は熟した。(前原淳)

(※引用元 Number Web

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