V奪回を目指す広島に朗報だ。田中広輔内野手(31)が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、来季以降もチームに残る意思を固めたことが29日、分かった。球団には既に意向を伝えており、30日にも正式発表される。
野球人生の岐路。悩んだ末に下した結論は、カープ愛を貫くものだった。球団はシーズン終了翌日の12日から複数回に渡って交渉の場を設け、慰留に努めてきた。提示された条件は、2年契約で総額4億円(金額は推定)とみられる。
不動のリードオフマンとして16~18年のリーグ3連覇に貢献し、今季から選手会長としてリーダーシップを発揮する正遊撃手。神奈川県出身で、横浜に本拠地を置くDeNAが水面下で調査を進めていると伝えられ、去就が注目されていた。
佐々岡監督就任1年目の今季、チームは2年連続でBクラスに低迷。田中広自身も出場112試合で打率・251にとどまった。ただ「(19年8月に手術した)右膝がだいぶ馴染んできた」と打ち明けた9月以降は、同・290と復調。来季への手応えを感じ取る。
ヘッドコーチとして4年振りに復帰する河田雄祐氏も「広輔には機動力の面でも核になってほしい」と1番・ショートでの復活を期待。野手はもちろん、的確な助言で遠藤、ケムナら若手投手の信頼も厚く、V奪回へ、その存在は欠かせない。(江尾卓也)
(※引用元 スポニチアネックス)