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今週の応援人・森下暢仁(広島カープ)【新井貴浩の球の心は正直者】

2021年1月26日

今週の応援人・森下暢仁(広島カープ)【新井貴浩の球の心は正直者】

カープイケメン四天王!

2021年1回目のコラムということで、皆さん今年もどうぞよろしくお願いいたします。新年早々、緊急事態宣言が再発令されたりとまだまだ大変な状況は続きますが、お互い頑張りましょう。

1月14日時点では春季キャンプも2月1日からスタートさせる方針とのことで、新チームの始動に期待をふくらませるファンの方も多いと思います。カープは昨年、V奪回を目指しましたが、5位と悔しいシーズンになってしまいました。一方で、投打に若い選手の成長が見られたのは、今後を見据えたときに大きなプラスと言えるでしょう。その筆頭選手が森下暢仁投手、今回の“応援人”です。

1年目から2ケタ10勝を挙げて(3敗)、防御率1.91と、素晴らしい活躍で新人王にも輝きました。その活躍ぶりは、私の予想の上をいっていましたね。

実は森下君に関しては、ドラフト会議のときにちょっとしたエピソードがあります。ドラフト当日、私はテレビで見ていたのですが、カープが公言どおり森下君を1位で指名。そこからずっと「競合するな、競合するな」と願っていました。で、DeNAの指名ときに「森」と聞こえてきた。「やられた! うわー、クジ引きや」と思ったら、「森」だけで止まったんです(DeNAは森敬斗内野手、桐蔭学園高を指名)。思わず「よっしゃー!」とガッツポーズしちゃいましたよ(笑)。私自身、神宮で投げている映像を見て「ものが違う」と感じた魅力的なピッチャーでしたから、まさか1本釣りできると思っていませんでした。

初めて実際に投げている姿を見たのは、キャンプのときです。すぐに石原(石原慶幸、当時広島捕手)に「このピッチャー、打線の援護があれば1年目から2ケタ(勝利)行くかもよ」と言ったのを覚えています。フタを開けて見れば、2ケタはもちろん、防御率も1点台で新人王に。もう「失礼しました!」「おみそれしました!」って感じです。

特にシーズン最終盤、10月以降がすごかった。1年目で開幕から一軍でプレーしている選手の場合、多くは夏場あたりから疲れが出てきて、息切れしてしまいます。しかし、森下君は夏場以降、シーズンが佳境を迎えるにつれて目を見張る成績を残しました。10.11月は5試合に登板して4勝0敗、防御率0.24で、月間MVPも獲得。シーズン通じて投げる体力、馬力があるということを証明しました。大地(大瀬良大地)やKJ(クリス・ジョンソン)、祐輔(野村祐輔)といった主力投手が軒並みケガや不調と厳しい状況の中で、しっかりとチームを支える姿は頼もしかったです。1年目で右も左も分からず、開幕から全力でいっていたと思います。にもかかわらず、息切れすることなく、あの数字ですから。並のピッチャーじゃないですね。

投げているボールも素晴らしいし、ハートも強い。ピンチを背負ったときなんかは、1年目とは思えない落ち着きで、これまで以上に気持ちを込めた投球できっちりと抑えてみせる。そういう場面を何度も見せてくれました。テクニカル、フィジカル、メンタルすべてがそろっていて、マウンドさばきからは負けん気や芯の強さが感じられます。そして、あのルックスですよ。いまや“カープイケメン四天王”です。

ちなみに、皆さんご存じだとは思いますが、一応。堂林(堂林翔太)、森下、新井。そして、野間(野間峻祥)!これが、カープイケメン四天王と呼ばれております。

変化は必要なし

2年目の今季に向けては、森下君自身も少し不安な気持ちを吐露していました。やはりプロに入って初めての年にこれだけの数字を残しましたから、心配になってくるのも分かります。どうしても周囲からの期待値が上がってしまいますからね。

そこで、私が森下君に言いたいのは、「まだ2年目」だということ。昨年どうやってマウンドに上がったのか、どうやって1年間を過ごしたのか、というのを思い返してほしいと思います。まっさらからのスタートだった1年目。まっさらゆえに失うべきものは何もないと思って、挑戦者として、「やってやるぞ!」という気持ちで、マウンドに上がっていたはずです。それを今年も続けてほしいのです。

相手チームもいろいろと対策を練ってくるでしょう。それに対して、自分も新しい球種を覚えたほうがいいかななどと違う一面を模索しようと考えることもあると思います。でも、はっきり言って、まだそれは必要ない。それよりも今、持っているものに、あらためて目を向けてもらいたいです。スピンの利いた伸びのある真っすぐや、切れ味の鋭いカーブが、森下君の武器です。それらをより磨いていくことのほうが、私は大事だと思っています。

気持ちの面でも「やらないといけない」とか「昨季みたいな成績を残さないといけない」は不要です。守りに入るのではなく、頭も心も1回クリアにする。昨年同様、また今年も挑戦者として1年間頑張っていくぞという気持ちで向かっていってもらいたいです。

そして、これはまだすぐにというわけではありませんが、将来的には『いろいろな人の気持ちを背負って投げられる投手』になってほしいと思います。今の大地のような、OBで言ったら黒田(黒田博樹)さんのようなピッチャー。チームメート、裏方さん、ファンの方……たくさんの人の、たくさんの気持ちを背負って投げられるようになってもらいたいです。

決して簡単なことではないと思いますが、森下君の場合、身近にいいお手本がいますからね。大地の姿から「野球人としてのあり方」「カープの選手としてのあり方」とは何かを考えていってほしい。これからもたくさんのことを学んでいってもらいたいと思います。

(※引用元 週刊ベースボール

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