広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)の守護神抜てきが決定的となった。17日にあったヤクルトとのオープン戦で11点優勢の9回に登板。村上を空振り三振に斬るなど打者3人で料理した。対外試合はこれで6戦連続無安打、無失点と完全無欠。
佐々岡監督は示唆に富む言い回しで「僕の中では決めている」と語った。
今季の命運を左右する懸案に答えが出た。03年の永川(1軍投手コーチ)以来、18年ぶりとなるルーキーの守護神抜てき。佐々岡監督はヤクルト戦後、示唆に富む言い回しで栗林の役割に触れた。
「誰にも何も言っていないけど、僕の中では決めている。最終的には明日(決まる)」
指揮官は、11―0の9回の栗林投入について「昨日投げられなかったので」と説明。0―1で敗れた前日16日の西武戦では7回にケムナ、8回には塹江が登板。幻となった9回は栗林の予定だった。守護神候補3人の登板順が雄弁に物語る。
大差でもルーキーは緩まなかった。先頭・太田を外角高め直球で二ゴロに仕留めると、代打・山崎も内角低め直球で二ゴロ。最後は4番・村上を外角145キロ直球で追い込み、同じ軌道から宝刀のフォークを落として空振り三振させた。
「ストライク先行でいけたので、自分の普段通りの投球はできたかな…と。ファンの方の拍手にモチベーションが上がりました」
今春はこれで対外6試合に登板し、いまだに無安打無失点。初登板だった2月17日の巨人練習試合で、1死から湯浅に四球を与えて以降、四球はおろか1人の出塁さえ許していない。まさに無双。それでも24歳は謙虚に足もとを見つめる。
「自信よりも不安の方が多いです。1本出たらクイックになりますし、点差が詰まった場面で長打を許したりしたら、体験したことのない緊張感が出てくると思うので」
いずれ訪れる危機を想定しておくのも才能の一つ。佐々岡監督はかつて守護神の条件を「強い球で三振を取れること。体の強さも必要」と語ったが、すべて栗林に合致する。社会人時代に抑えの経験があるのも強みだ。
「言われたところで仕事をするだけ。守護神のイメージは全然ないですけど、常に同じ結果を出せるように頑張りたいと思います」
チームの泣き所を救う黄金ルーキー。正式に指名されても、誰も異論を挟むまい。(江尾卓也)
(※引用元 スポニチアネックス)