交流戦(6月4日、カープ5-12楽天、マツダスタジアム)
広島・林晃汰内野手(20)が4日の楽天戦で2安打1打点の奮起を見せ、高卒3年目で初の5番抜てきに応えた。智弁和歌山の1学年後輩である楽天・黒川のプロ1号に触発。投手陣が計12失点して今季最多の借金6に逆戻りした中、若ゴイの活躍がせめてもの救いとなった。
通算150勝を達成した涌井からの2安打には価値がある。林は、初回2死三塁で内角低めの直球を強烈なライナー性で右前にはじき返す適時打。4回無死一塁では外角チェンジアップを逆らわずに左前に運んだ。先発した6試合のうち4度目の複数安打。実績で格上の涌井にも持ち前の打力は通用した。
「1軍の一流の投手と対戦できるチャンス。思い切っていくだけだと思っていた。しっかりと直球を打てたことは自信になると思う。打順に関係なくチャンスでしっかりと打ててよかったです」
降雨ノーゲームとなった3日の日本ハム戦と同じ「5番・三塁」での先発だった。中軸を担っていた松山が上半身のコンディション不良で離脱。台頭著しい林に求められる役割は増している。2番で先発した同期入団の小園とは3年目で初の同日安打。主力の穴を埋めようと奮闘する若ゴイの存在は、いまや打線に欠かせない存在になりつつある。
楽天の同じ三塁は、智弁和歌山の1学年後輩である黒川だった。3年春の18年の選抜大会では、2人を中心とした打力を武器に準優勝した。その“戦友”がプロ1号3ランを含む猛打賞と大暴れ。「今日は(黒川)史陽デーだった。見習って負けないようにしたい。後輩ですし、ライバルでもある。明日は負けないようにやっていきたい」。パ・リーグ首位チームで先発出場して結果を残す後輩を目の当たりにし、2安打した満足感もどこかに消え去った。
「三振しないとか、球際を強くとか…。これがあったら大丈夫というのがだんだんとできてきて、そこを継続できているのかなと思います」
12失点の大敗の中で、打線は11安打を集めた。低迷するチームの流れを若手が変えようとしている。(河合 洋介)
(※引用元 スポニチアネックス)