公式戦(6月24日、カープ8-11巨人、東京ドーム)
広島・大瀬良大地投手(30)に復調の兆しが見えない。29日の巨人戦は今季最短の3回6失点KO。先発6戦未勝利は、新人だった14年7~8月に並ぶ自己ワーストとなった。
乱打戦で3度のリードを奪いながら、1点優勢の8回に6番手・森浦大輔投手(23)が手痛い逆転を許し、今季ワーストに並ぶ借金16へ逆戻り。30日に引き分けか、敗戦で、今季初めて自力優勝の可能性(対象は巨人)が消える。
また、首をかしげたくなる内容に終わった。今季最短の3回で6点を失い、早々とマウンドから姿を消した大瀬良。痛打を浴びた後の表情や、気丈に振る舞おうとする姿が痛々しい。広報を通じたコメントに、無念さと心苦しさがにじんだ。
「点を取ってもらった後にこれまでと同じような結果になってしまい残念です。何とか粘りたかったけど…」
2度の2点リードをあっさり吐き出した。初回2死一塁で岡本和に同点2ランを被弾。外角スライダーを右翼席へ運ばれた。3回には1死一、二塁から丸、岡本和、坂本に3連続適時打を許し、2死後には投手の戸根にも中前適時打を浴びた。
「前回は試合の入りが良くなかったので意識して入った。悪くはなかったのですが…」
何かおかしい。前回22日のヤクルト戦では初回に2四球。6回6失点(自責3)で降板するまでに5四球と乱れた。この日の3回、無死一塁で松原に四球を与えた際には、外角高めに抜けるボールを連発。制球には定評があり、乱れても立て直すすべを知るだけに、考えられない態様だ。
「前回と同じ感じでやられている。(狙ったところに)投げ切れていない。そういう球を打たれている」。大黒柱であり、投手キャプテンでもある大瀬良の不振に、佐々岡監督の表情も険しい。2軍での再調整については「分からない」とし、否定はしなかった。
4月9日の巨人戦で2勝目を挙げて以来、白星が遠い。これで先発6戦未勝利となり、新人だった14年7~8月に並ぶ自己ワーストとなった。右腓腹筋(ひふくきん)挫傷による離脱や新型コロナ集団感染での練習制限などの不運があったにせよ、長すぎるブランクだ。
「特別な一年。今季しっかりした成績を残せるように、血眼になって取り組んできた。体が無事なら普通にやれる自信はあります」
右肘手術からの復帰元年。開幕前にはそう決意を語っていた。強い責任感の持ち主。万全な状態での復調を信じて待ちたい。(江尾卓也)
(※引用元 スポニチアネックス)