公式戦(7月1日、カープ4-10巨人、東京ドーム)
広島は1日の巨人戦で逆転負けし、自力優勝の可能性が早々と初消滅した。鈴木誠がバックスクリーンへ11号2ランを放つなど、打線は菅野を3回途中KOに追い込んだものの、先発の高橋昂が粘り切れず4回途中6失点で4敗目。厳しい現実に佐々岡監督は「受け止めて、僕らは前を向いて戦っていくしかない」と声を振り絞った。
序盤3回までに幸先よく4点を奪い、難敵・菅野をマウンドから引きずり降ろしたというのに、終わってみれば今季7度目の2桁10失点大敗。先発の役割を果たせず4回途中6失点降板し、4敗目を喫した高橋昂は「先に援護してもらったのに、守り切ることができなくて悔しいです」と唇をかみしめた。
佐々岡監督が「制球はアバウトでも1、2回は球威があったし、力感もあった」と言う通り、立ち上がりから直球で差し込み、空振りを奪っていた。ところが4点優勢の3回。無死一塁で、松原に甘く入った直球を右中間へ2ラン被弾したあたりから、雲行きは徐々に怪しくなる。
「今日は腕を振りすぎて、制球できなかった。逆球も多かったし、力感なく、制球よく強い球を投げるという持ち味を出せませんでした…」
高橋昂が反省した通り、4回には坂本、中島にやらずもがなの連続四球。動揺は隠せず、北村と代打・広岡に連続適時二塁打を浴びて逆転を許し、送りバントで1死三塁となったところで、交代を命じられた。首脳陣は2番手に島内を投入。直後に、しかし、痛いミスが起きてしまう。
松原の一ゴロを、前進処理した坂倉が本塁送球。これがワンバウンドとなって磯村がはじきスタートを切っていた三走・広岡が生還(記録は野選)、ウィーラーには2ランを被弾した。ミスは連鎖し、5回の先頭で中前打を放った小園がけん制死。鈴木誠に打順が回り、じっくり攻めたい場面だっただけに痛恨だ。
「昂也は4回、急にね。(連続四球の)あの入りは首をかしげたくなる。サク(坂倉)は(不慣れな)一塁で頑張ってくれているんだけど、あそこはしっかり投げてほしかった。小園は状況や場面を考えないといけない」
菅野攻略が一転、大敗を喫した指揮官の口調は重い。対象の巨人に敗れたことで、71試合目にして早々と自力Vの可能性が初消滅したことには「受け止めて、僕らは前を向いて戦っていくしかない。一つずつ借金を返していくしかない」と声を振り絞った。
将来有望な若い力が台頭する一方で、ミスや無駄な失点も散見する現状。我慢の時か。(江尾 卓也)
《残り72試合で…》広島は巨人に敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。残り72試合に全勝しても95勝39敗9分けの勝率・709。この場合、巨人は広島との残り11試合に全敗となるが、他カードの合計57試合に全勝すれば96勝37敗10分けの勝率・722となり広島を上回るため。
(※引用元 スポニチアネックス)