カープ愛はホンモノだった。元広島投手のクリス・ジョンソンさん(36)のことだ。8月に現役引退を発表後、エースの大瀬良大地投手(30)に熱いメッセージを送っていた。
「君のキャリアはまだまだ続く。しっかり自分を信じていれば、大丈夫だ。頑張ってほしい」
球団によると、7─8月の東京五輪で米国代表としてプレーをする打診を受けたが「カープの一員だったことをファンの皆さんに覚えておいてほしい」との理由で辞退。その熱いエピソードに鯉党の胸は熱くなった。
感銘を受けた大瀬良は職員からジョンソンさんの連絡先を聞いて「ありがとう」と英語で感謝をつづった。ジョンソンさんから「ありがとう」との返信があり、何度かやり取りをしていく中で激励の言葉を受け取った。
メジャー経験もあるジョンソンさんは2015年に初来日し、1年目に14勝を挙げ最優秀防御率(1・85)のタイトルを獲得。2年目の16年には15勝&防御率2・13で25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
その年外国人投手では1964年のバッキー(阪神)以来史上2人目の沢村賞を受賞。通算57勝は球団外国人投手最多で16─18年のリーグ3連覇時の先発陣を引っ張った。
昨年引退した元捕手の石原慶幸さん(42)とのコンビで通算57勝のうち56勝を積み重ね、黄金バッテリーとしての印象を残した。
ジョンソンさんは「イシ」と慕い、昨年11月の石原さんの引退セレモニーの際にはグラウンド上で熱い抱擁を交わし感動を誘った。ジョンソンさんもその年に広島を退団し、他球団に所属することなく今夏に引退を発表した。
「一番のすごさはここぞのところで高さ、コースでミスをしない。どういう状況でもベストな球を淡々を投げ続けるすごさはとんでもない」と大瀬良。6年間で通算128試合に登板し、57勝37敗、防御率2・76。赤ヘル助っ人史に残る功績は色あせることはない。(柏村翔)
(※引用元 サンケイスポーツ)