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ドミニカカープアカデミーで選手たちに日本語を教えていた大学生の話

2021年11月8日

ドミニカカープアカデミーで選手たちに日本語を教えていた大学生の話

今年カープの助っ人外国人で唯一気を吐いたコルニエル選手。このコルニエル選手がドミニカカープアカデミー出身である事を知っている野球ファンも多いだろう。

近年カープアカデミー出身選手の活躍は目覚ましい。ロサリオ、バティスタ、フランスアなど、彼らの力が何度カープを救ったかわからない。今やカープにとってドミニカの助っ人はなくてはならない存在だ。

しかしそんなドミニカの選手たちがカープアカデミーで「広島の大学生」から日本語を教わっていることはあまり知られていない。実はこれにはカープのユニークな取り組みが深く関わっているのだ。

携帯をいじる生徒もいれば授業にこない生徒も……

広島市立大学国際学部が行っている「広島東洋カープ企業インターンシップ」。ドミニカ共和国カープ野球アカデミーで行われる、10年ほど前から始まった非常に珍しいインターンシップだ。半年に一回、希望する学生の中から1名がドミニカのアカデミーへと派遣される。なんと心躍るインターンシップなのだろうか。広島の普通の大学生が、突然あのロビンソン・チェコを輩出したドミニカの地へ約5ヶ月もの間赴くのだ。筆者もカープアカデミーを訪れた経験があるが、二十歳前後の若者が一人で訪れるには相当に勇気が必要な場所である。

さらにドミニカでは各々の研究テーマとともに、インターン生は重要な仕事を選択できる。そう、それがアカデミー生への日本語の授業だ。ドミニカの選手たちはトレーニングの他に、日本に行く事を想定して日本語を学んでいる。これは非常に大事なカリキュラムなのだ。

第19代目のインターン生、切川さんは当時の思い出をこう語る。

「授業は全て自分でどのように教えていくかを考えます。アカデミーの皆さんが飽きないように、わかりやすいように日本語を教えなくてはいけないんです」

最初はスペイン語もうまく伝わらず、授業もスムーズに行かなかったという切川さん。それはそうだろう。異国の地で、今まで日本人に対しても授業をしたことのない若者が、急にドミニカンを相手に先生をしなくてはならないのだ。しかも携帯をいじる生徒もいれば授業にこない生徒もいる。日本でいうところのパリピ学級のような状況。しかしある時「倒れている人がいた場合の日本語」という寸劇を取り入れた授業をしたところ大盛り上がり。徐々に生徒たちの心を掴んでいったそうだ。

家族を養うために日本語を学ぶ選手もいる

様々な生徒との思い出があるが、ある選手の日本語への取り組みは特に記憶に残っているという。

「ブルペンキャッチャーの方々は通訳としてのスキルが身に付けば日本にいける可能性も高まるので、一生懸命授業を受けていました。ほぼ完璧な方もいて僕も日本語の間違いを指摘されるほどでした」

家族を養うために日本語を学ぶ選手もいる。必死で生き抜く選手たちの姿がそこにはあった。

みんなと一緒にアカデミー内の果物をもいで食べたのものいい思い出だ。

最終日にはお別れ会ということで選手たちが切川さんと一緒に野球を楽しみ、野球選手になりたかった切川さんは夢を叶えてもらったと嬉しそうに話してくれた。

カープアカデミーで人生観が変わるほどの経験をさせてもらったと言う切川さん。現在は地元広島の企業でスペイン語を生かす仕事についている。インターン生の中には頻繁に停電してしまうドミニカの現状を見て、いつかドミニカに恩返しできるようにとインフラ整備の会社に就職した方もいる。

カープが地元のインターン生を受け入れ、そのインターン生はカープで得たものを広島に返していく。なんと素晴らしいシステムだろう。カープは広島とともにあり、広島はカープとともにあるのだ。

今も日本語を教えていたコルニエル選手らの活躍は欠かさずチェックするという桐川さん。今日も何処かでドミニカの選手の活躍を、若き日本語の先生たちが見守っているに違いない。

(※引用元 文春オンライン

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