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現役でGG賞・レジェンズとなった菊池の「見えないファインプレー」

2022年2月20日

現役でGG賞・レジェンズとなった菊池の「見えないファインプレー」

1972年に制定され、「守備のベストナイン」を謳い文句にした「三井ゴールデン・グラブ賞(1985年まではダイヤモンド・グラブ賞)」は、昨年、50年の年輪を重ねた。それを記念して、ファンの投票により、歴代受賞者から最強の守備陣「ゴールデン・グラブ・レジェンズ」が発表された。レジェンズに選ばれた選手と受賞回数は以下のとおり。

投手:桑田真澄(巨人/8回)
捕手:古田敦也(ヤクルト/10回)
一塁手:王貞治(巨人/9回)
二塁手:菊池涼介(広島/9回)
三塁手:中村紀洋(近鉄ほか/7回)
遊撃手:井端弘和(中日ほか/7回)
外野手:イチロー(オリックス/7回)
外野手:新庄剛志(阪神ほか/10回)
外野手:秋山幸二(西武ほか/11回)

この顔ぶれを見ると、実際の受賞回数を加味した「名手として記憶に残る」選手が選ばれている。なかでも、注目は現役から唯一選出された菊池だろう。ちなみに、今回の二塁手部門での投票結果は、次のとおりだった。

1位:菊池涼介(9913票)
2位:荒木雅博(3220票)
3位:辻発彦(2380票)
4位:篠塚利夫(1358票)
5位:仁志敏久(1293票)

2位に6000票以上をつける圧勝だったわけだが、これまでの長いプロ野球の歴史において、名二塁手と呼ばれた選手はどれほどいたのだろうか。

【掛布もうなるバックトスの名人】

ゴールデン・グラブ賞のパ・リーグの第1号は、大下剛志(東映/現・日本ハム)だった。大下は広島商、駒澤大で鍛え上げられた守備力をプロの世界でも発揮。とくに、伝説の遊撃手と評された大橋譲との二遊間のコンビネーションはすばらしかった。東映に在籍したことがある江本孟紀からこんな話を聞いたことがある。

「大差で負けている時は、走者がいないにもかかわらずショートゴロが飛ぶと”6-4-3”とボールを回してアウトをとった。ファンサービスでプロの華麗な守備を見せていた」

その後、大下は1975年に広島に移籍するも、その年にセ・リーグのゴールデン・クラブ賞に輝く活躍を見せ、チームの初優勝に大きく貢献している。

セ・リーグのセカンドで長らく名手として君臨したのが高木守道(中日)だ。1960年から活躍しているため、ゴールデン・グラブ賞に輝いたのは3回だけだが、バックトスの名人として名を馳せた。1974年にプロ入りした阪神の掛布雅之はこう証言する。

「高木さんのバックトスは、上から投げたのと同じくらいのスピードで二塁ベースに入る遊撃手に飛んでいった。『すごい!』のひと言でした」

その名のとおり、まさに「守りの道」を極めた守備の達人だった。

【球史に残る名二塁手たち】

4回受賞の篠塚は、一、二塁間のゴロに対して、全身がピンとまっすぐに伸びて捕球するファインプレーを幾度となく披露した。グラブさばきも見事だったが、球際の強さも超一流だった。

西武時代にパ・リーグとなる8回受賞の辻発彦も、球史に残る名プレーヤーのひとりだ。なかでも印象に残っているのが、1992年のヤクルトとの日本シリーズ第7戦。1対1で迎えた7回裏一死満塁の場面で代打・杉浦亨の一、二塁間の強烈なゴロを捕球すると、そのまま回転しながらバックホームでランナーを刺す超美技。以前、辻に「なぜそんな守備ができるのか」と問うと、辻は平然とこう言った。

「バットにボールが当たる前から、飛ぶ方向がわかるんです」

今でいうところの”ポジショニング”というわけだが、投手の決め球と打者のスイングから、前もって適切な位置を予測していたという。玄人好みの守備で西武の黄金時代を支えた。

また、2004年から6年連続で受賞した荒木雅博(中日)は、俊敏な動きと守備範囲の広さ、華麗なジャンピングスローに定評があった。今回、レジェンズの遊撃手部門に選ばれた井端弘和との「アライバ」は球史に残る名二遊間コンビとして、後世に語り継がれるに違いない。

【審判が語る菊池涼介のすごさ】

菊池は辻の8回、荒木の6回を上回る、2013年から9年連続ゴールデン・グラブ賞に輝いている。2020年には、コロナ禍の影響で試合数は減少されたが、103試合、503守備機会無失策の「守備率10割」という前人未到の偉業を達成した。

打球を追う脚力、グラブさばき、グラブに収まった打球を素早く持ち替える技術、送球コントロールと、すべてを兼備している最強の二塁手である。プロ野球の元審判で、29年のキャリアを誇った佐々木昌信は菊池の守備について、こう証言する。

「ほかのセカンドと明らかに異なる特色は、ポジショニングです。バッターやピッチャーによって変えているし、カウントによっても変えています。そこが、どこからともなく現れる”忍者”の異名をとる所以ではないでしょうか」

そして試合中、佐々木審判と菊池との間でこんなやりとりがあったという。

「菊池選手、このあたりに打球が飛んでくるという前提なわけですよね。私は前に行ったほうがいいですか? うしろに下がったほうがいいですか?」

「今うしろにいますが、ピッチャーが投げたら前にダッシュします。だから、うしろに下がっておいてもらえませんか」

逆をつかれることもあったというが、予想が当たった時は、難しい打球を普通のイージーゴロのようにさばいていたという。まさに「見えないファインプレー」こそ、菊池の本当のすごさなのかもしれない。

(※引用元 web Sportiva

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