広島、ドジャース、ヤンキース、そして2015年に復帰した広島で日米通算203勝を挙げ、カープを25年ぶりのセ・リーグ優勝に導いた16年シーズン後に現役を引退した黒田博樹氏(47)が、米大リーグのカブスに移籍した後輩の鈴木誠也外野手(27)に送ったメッセージの一端を明かした。
「ユニホームを着て戦った仲間なので活躍してほしい、と。(ただ)あんまり前に出るのは好きではないので陰ながら応援させてもらう、と」
3月21日、カープの往年の名選手35人が集まった「カープレジェンドゲーム」に参加した際に取材に対応。メジャーの先輩だからといって前に出るのではなく、控えめにエールを送る様子が黒田氏らしかった。
鈴木は昨年11月にポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を表明。米大リーグのロックアウトの影響で交渉は一時凍結されていたが、3月にカブスと5年総額約100億円で合意。現在はキャンプ地のアリゾナ州メサで開幕に向けて調整を続けている。
黒田氏は、鈴木の恩人のひとり。ヤンキースから広島に復帰した15年、当時プロ3年目で21歳だった鈴木に、ア・リーグのエンゼルスに所属するマイク・トラウトの存在を伝えた。鈴木と同タイプの外野手で3学年上の打者が、世界のトップを走っていることを伝え、刺激を与えたことが鈴木の飛躍のきっかけになった。トラウトがつけている背番号「27」をカブスで選んだのも、こうしたことが背景にある。
鈴木は3月18日にカブスのキャンプ地の球団施設で入団会見に臨んだ。
会見後にはツイッターにメッセージを書き込み「『広島東洋カープから来ました』の文言を緊張で飛ばしてしまった」と悔やんだ。これは、黒田氏が2007年に広島から海外フリーエージェント(FA)を行使し、同年12月にドジャースに移籍した際にカープファンを感動させた自己紹介の文言。それを再現をしようとしたのだが、緊張して言いそびれてしまっていた。
(※引用元 サンケイスポーツ)