開幕から“侍ジャパンの4番”が躍動を続けている。シカゴ・カブスの鈴木誠也は現地時間4月19日、本拠地で行われたタンパベイ・レイズ戦に「2番・ライト」で先発すると、デビューからの連続試合安打は「9」でストップしたものの、3四球を選んで連続出塁記録を「11」まで伸ばしている。
名誉ある打順をついに任された。日本では4番打者へのリスペクトが強いものの、メジャーリーグでは、強打者には1打席でも多く打席を回すことが得点確率が高いとのデータから、チームで格の高い選手は2番や3番を任されることが多い。そしてこの日、鈴木は2番を任された。
結果としてヒットこそ生まれなかったものの、真に称賛されるべきはその選球眼だ。この日、相手レイズはブルペンゲームを採用し、鈴木は4打席で3投手と対戦。もちろん、全員が初対戦である。その中でセカンドゴロに終わった第2打席を除き、いずれも先に相手に追い込まれた。データがない中で、普通の選手であれば相手の決め球に三振に打ち取られていただろう。
しかし、鈴木は“普通”の選手ではない。相手投手のウイニングショットを完璧に見極めてカウントを整え、フルカウントから3四球をもぎ取ったのだ。そして何と、この日を終えて出塁率は驚きの.581まで上昇。まだ10試合前後とはいえ、これは堂々のメジャートップの数字であり、メジャーへの適応はまずスムースに移行できたと言っていい。
そして鈴木の凄いところは、ただ四球を稼いでる部分だけではない。地元メディア『Bleacher Nation』が「セイヤ・スズキは三振(9)より打点(11)と四球(10)」を稼いでいると驚いたように、クラッチヒットやコンタクト技術を発揮して三振よりも打点と四球をもぎ取っているのだ。しかもこれはこの日の1打席目のことだったので、四球は12個まで増えているのだから、より凄みが増す。
そして、TV放送局『BallySports』でMLB記者を務めるラッセル・ドルシー記者はここまでの鈴木の活躍をこう振り返った。「セイヤ・スズキのここまでの活躍は信じがたいレベルだ。彼はルーキーかもしれないが、成熟した打席アプローチは本当に際立っている」。
広島時代も際立っていた鈴木の選球眼は、メジャーでも十分に通用するレベルにあるようだ。今後は浮き沈みはあるかもしれないが、この武器があれば必ずや年間を通して好成績を残すことができるはずである。
Seiya draws a lot of walks.
This is not one of them. pic.twitter.com/CmVxOldx1p
— Chicago Cubs (@Cubs) April 17, 2022
(※引用元 THE DIGEST)