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西川が打つ時は誠也も打つ…同い年の2人は、海を越えて連動するのか

2022年5月2日

西川が打つ時は誠也も打つ…同い年の2人は、海を越えて連動するのか

同い年、というのは不思議なものだ。社会に出てから出会った人でも、同い年であると判明した瞬間に妙な連帯感が生まれ、同時に「負けてはいられない」という対抗心も芽生えてくる。同じ分野で競っているのであれば猶更だろう。

カープの中にも、同い年のグループがいくつかある。三連覇時に「タナ・キク・マル」と呼ばれた田中広輔・菊池涼介(丸佳浩は後に巨人に移籍)、「生年月日どころか生まれた病院まで同じ」という野村祐輔・安部友裕らの「89年度生まれ」が最も有名だが(補足すると菊池保則、ターリーも89年生まれである)、ファンの目から見ても「同学年だから仲が良いのだな」と納得させられる選手たち、それが「94年度生まれ」である。昨季までの在籍選手で言えば、投手では床田寛樹・矢崎拓也、野手では西川龍馬・鈴木誠也・髙橋大樹がこれに該当する。中でも、西川と鈴木の仲の良さは際立っていた。

カープ94年度組 西川と鈴木の絆

二松学舎高から12年ドラフト2位で入団した鈴木と、社会人野球・王子を経て15年ドラフト5位で入団した西川は、カープにおいては「同期」ではない。そんな彼らを結びつけたのは、やはり「同い年」という要素なのではないだろうか。

思い返せば試合前の練習時(中日戦の場合、そこに同い年の京田陽太が加わることもある)、試合中のベンチ、試合後のヒーローインタビューで野間先輩に水をかけに行く時、いつでも西川と鈴木は一緒にいた。内野手だった西川が、19年から外野を主に守るようになると、その絆は更に深まったように見えた。

西川の入団時から、お互いに相手を「天才」と評し、切磋琢磨し続けてきた二人。試合を見ていると、3番の西川が出塁すれば4番の鈴木が返す、といったように「二人が連動して打つ」というシーンが多かった印象がある。たとえば昨年9月9日の中日戦、初回に3番・西川の2ラン、4番・鈴木のソロと、二者連続ホームランにより3点を先制し、チームを勝利に導いたのは記憶に新しい。

しかしここで疑問が沸き起こってくる。西川と鈴木のヒットは、本当に連動して放たれていたのだろうか。昨季のデータを用いて検証してみたい。

西川が打つ時は鈴木も打つのか

21年シーズン、西川と鈴木がともに出場したのは126試合。そのうち、両者が2安打以上を放ったのは13試合、逆に両者が無安打だったのが10試合となる。この数字だけを見ると、さほど連動はしていないように見える。

一方、月間打率を見てみると、昨年5月が西川.245、鈴木.286、6月が西川.271、鈴木.230と、揃って低調気味となっている。西川は濃厚接触者、鈴木はコロナ陽性となり、それぞれ5月後半に離脱を余儀なくされたため、その影響だったのかも知れない。この二人の不振が、カープ交流戦最下位の一因ではないかと考える人も多く、主軸の二人に対する風当たりも強かった。逆に、9月には西川.333、鈴木.381と揃って好調となり、終盤の追い上げに繋がっていったのである。

ここから考えるに、一試合単位での連動性は確認できないものの、好調・不調の時期は両者共通する部分があり、「西川が打つ時は鈴木も打つ」という印象に繋がっていったのではないだろうか。ファンからしてみれば、二人がともに打ってカープが勝つのはもちろん、活躍した二人が仲良く喜んでいるのを見るのが嬉しかった、というのも本音である。

ところが昨オフ、鈴木はポスティング制度を利用して、大リーグ移籍を目指すことを表明した。既に髙橋大樹は戦力外通告を受けており、94年度生まれのカープの野手は西川一人だけになってしまったのである。

海を越えても連動性は続くのか

今年の元日、西川はインスタグラムに3枚の写真を投稿した。富士山頂の写真、野間と西川が二人で並んでいるカラー写真、そして鈴木と西川がグラブタッチをしている後ろ姿のモノクロ写真である。添えられた「今年は大事な年!頑張ります!」という短いコメントには、「鈴木の抜けたカープを、野間とともに守っていかなければならない」という並々ならぬ決意が感じられた。

離ればなれになることで、同い年の絆は切れてしまうのだろうか。そんな危惧をしていたところ、3月19日のソフトバンクとのオープン戦でホームランを放った西川は、シカゴ・カブス入りが決まった鈴木に対して「あっち(米国)で活躍してくれたら刺激になる」と答えた(「日刊スポーツ」2022年3月20日)。海を越えても二人は良きライバルであり、相手の活躍がお互いの原動力になっていくのだろう。

その予想通り、開幕してからの西川・鈴木はともに好調で、4月27日時点で鈴木は打率.354・打点13・本塁打4、西川は打率.321・打点15・本塁打2の成績を残している。

特筆すべきは4月24日(米時間23日)で、鈴木はパイレーツ戦で第1打席・左安、第2打席・右適安(打点1)、第3打席・三ゴロ、第4打席・右2安の成績を残した。その約10時間後、西川はDeNA戦で第1打席・中安、第2打席・右本(打点1)、第3打席・二ゴロ失、第4打席・左安と、この日に限っては「連動ヒット」が発動したのである。更に鈴木の第2打席でのタイムリーは、大きく外れたボール球を捉えてヒットにしたもので、この映像を見たカープファンの多くは「よく見る龍馬の変態打ち」を思い出していた。

鈴木が活躍したならば、きっと西川も打ってくれるに違いない。西川が打てば、きっと海の向こうの鈴木にも伝わって励みになるだろう。そんな連動性を信じたい。

(※引用元 文春オンライン

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