野球担当の記者が、各球団の話題や注目選手を持ち回りで紹介する「番記者スコープ」。第6回は広島担当の柏村翔記者(35)が外国人獲得戦略を掘り下げた。なぜ、鯉の助っ人たちは〝当たり〟が多い?新主砲、ライアン・マクブルーム内野手(30)の周辺を取材してみた。
広島の助っ人は活躍する確率が高い。最近ではシーツ、ジョンソン、エルドレッド…なぜ?渉外担当者を直撃した。
「タンパリング(不法交渉)にならないように、選手の周りの人に、どういう性格かを聞くことはありますね」
新外国人は自由契約にならなければ直接交渉はできない。他球団と比べて資金的に優位というわけでもない。〝お買い得〟な選手を探すため、周辺を探るというのだ。
2012年途中から7年間在籍し、通算133本塁打を放ったエルドレッド(現駐米スカウト)は象徴的。米国時代から好不調の波が激しく三振も多かったが、フレンドリーかつ熱心な性格を球団は把握していた。来日すると広島になじみ、自宅から球場へ自転車で通勤するほど。同僚やファンに愛され、14年には37発で本塁打王に輝いた。
同じニオイをマクブルームにも感じるという。2日時点で26試合に出場し、打率・244、2本塁打、12打点。15四球と選球眼がよく、一塁守備は無失策。朝山打撃コーチは、M砲のルーティンに目を細める。
「よく研究しているし、対戦機会が多くなると結果が出てくると思う。伸びしろしかない」
マクブルームはメモ魔だという。ミーティングでは助言や相手投手の特徴を書き留める。試合中もベンチにノートを持ち込み、打席ごとにメモ。かつて阪神で最多安打3度と活躍したマートンをほうふつさせる。
「ボール球を振らないし、厳しい球を見極められる」と朝山コーチ。昨季ロイヤルズ3Aで32本塁打の大砲が、カブスに移籍した鈴木の穴を埋めている。実績とともに性格を重視。カープの助っ人戦略が、また威力を発揮している。(柏村翔)
■ライアン・マクブルーム(Ryan・P・McBroom)
1992年4月9日生まれ、30歳。米国バージニア州出身。ウェストバージニア大から2014年ドラフト15巡目(全体444位)でブルージェイズ入団。19年にロイヤルズでメジャーデビュー。MLBで通算66試合に出場し、打率・268、6本塁打、16打点。190センチ、99キロ。左投げ右打ち。年俸8000万円。背番号「10」
(※引用元 サンケイスポーツ)