【野村謙二郎 視点】広島とヤクルト投手陣。周知の通り、前者は先発、後者は救援陣がリーグトップの防御率を誇る。
ただ球数には顕著な差があった。初戦が広島174球でヤクルト143球、この日は214球と191球。簡単に言うと、広島の投手はボールから入るケースが多く、逆にヤクルトの布陣はストライクを先行させていたわけだ。
無論、打たれたくない、抑えたいという心理の中で最善の努力はしているとは思う。
ただ、甘くなったら打たれるという思いが強すぎるとボール球を誘発させる。そうなると球数は増え、揚げ句四球を与えて傷口を広げてしまう。そんな場面を幾度となく見てきた。
ヤクルト・石川の投球を見習うべきだろう。球威はなくてもストライク先行で好投した。
黒田博樹が残した言葉をいま一度かみしめたい。打たれることを受け入れて投げる――。それこそが投球の本質。今春キャンプで各チームが方針に掲げた通りストライクゾーンの中で勝負したい。
広島投手陣には怖さを知った上でさらに大きく成長してほしい。
(※引用元 スポニチアネックス)