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遠藤「もったいない」から5年目に本格化!佐々岡監督も惚れ込む才能

2022年6月1日

遠藤「もったいない」から5年目に本格化!佐々岡監督も惚れ込む才能

5月25日、広島に今季交流戦初勝利をもたらしたのは、先発6番手の遠藤淳志だった。完封目前の9回に降板し、敗戦投手となった17日の巨人戦から中7日、ロッテ打線を7回途中まで2失点に抑えた。

開幕ローテーションを守り、ここまで(5月31日現在、以下同)3勝を手にしてもなお、23歳の右腕には危機感が募っている。

残り2枠を実力でゲット

今シーズン、広島の先発は充実している。エース大瀬良大地に森下暢仁、そして昨年最多勝の久里亜蓮に、昨季後半戦だけで4勝をマークした左腕の床田寛樹の4本柱が揃う。開幕まで空いていた枠は2つのみ。新人を含めた争いのなかで、遠藤は自らの力でその枠を勝ちとった。

ただ、2月19日の巨人との練習試合からオープン戦の2試合まで10イニング連続無失点に抑えても、佐々岡真司監督から開幕ローテーションの内定はもらえなかった。

最後まで玉村昇悟や小林樹斗、高橋昂也らと競わされ、はっきりと明言されたのは開幕まで1週間を切った3月20日だった。

指揮官が最後まで明言しなかったのは、中継ぎの適性があることから、第2先発の役割を託すプランがあったからだろう。昨年の9回打ち切りから、今季は最長12回まで見通さなければならず、先発よりも手薄な中継ぎを強化したい考えがあった。

先発6番手にほかの若手が割って入ってくれば、遠藤を中継ぎで起用することができる。最後まで当確ランプをともさなかったのは、不安ではなく期待の表れだったのだ。

遠藤も遠藤なりに、指揮官からの無言のメッセージの意味を受け止めていた。

「『油断するな』ということだと思います。結果が出ていても、油断したらやられる。しっかり結果を残して、アピールしていかないといけないと思っています」

厳しさは期待の表れ

プロ入りしてから遠藤の成長をそばで見てきたのが、佐々岡監督だった。

基礎強化に重点を置いたプロ1年目は、二軍投手コーチとして指導を受けてきた。そして二軍投手コーチから一軍コーチへと昇格した2年目の2019年、自身も追いかけるように一軍デビュー。中継ぎとして34試合に登板。プロ初勝利も初ホールドも初セーブも記録するなど、飛躍のきっかけをつかんだ。

2020年、監督に就任すると、開幕ローテーション投手を任され5勝を挙げた。

順調にステップアップしているように思われたが、2021年は開幕直前に二軍降格となり、わずか2試合の登板に終わった。

本人のなかでは挫折だったかもしれない。ただ周囲には「持っている才能を発揮できていない」と映っていた。伸び悩む遠藤の姿に、佐々岡監督が嘆いたことがあった。

「もったいない。あれだけの体で能力もあるのに……。取り組みなのか、考え方なのか」

186センチの身長に長い手足、身体能力も高い。入団時に二軍投手コーチとして見てきた佐々岡監督は、誰よりもその才能に可能性を感じていた。

厳しさは期待の表れ──今年の春季キャンプの広島のブルペン、球の強さや回転がよければボールを受ける捕手から「ナイスボール!」の声が響いた。だが、遠藤の投じた高めの真っすぐに対しての「ナイスボール」の声に佐々岡監督は眉をひそめた。

ブルペン捕手に「高めの球はナイスボールと言わなくていい」と指示した。まだ調整の初期段階ということもあり、投手はみな球筋を確認する時期だ。そんななか、そのような指示を出したのは、記者が見る限り、遠藤だけだった。

「まだこの時期だけど、(大瀬良)大地や森下とは違う。遠藤にとっての課題はそこ、何度それで(球が高めに浮いて)やられたんだ。同じことを繰り返しているんだから、この時期から(高低を)意識しないといけない。あのコースは『ナイスボールではない』と認識するところから始めないと」

それからしばらくは遠藤の投球練習時に「ナイスボール」の声があまり聞かれなくなった。ところが、沖縄2次キャンプを機に「ナイスボール!」の声が増えるとともに、投球内容も上向き、実戦に入っても結果がついてくるようになった。

シーズンに入っても隙を見せまいと努力に励み、懸命に腕を振った。ここまで3勝3敗、防御率2.68。数字に表れない経験を重ねている。

遠藤をあまり褒めようとしない指揮官から、自然とその名前が出たことがあった。ドリュー・アンダーソンが好投し2勝目を挙げ、チームも3連勝となった5月22日の中日戦後、先発投手陣の安定感について聞かれた時だった。

「遠藤を含めて6人がね。しっかりと試合をつくってくれているので、こういう試合ができている」

直近の試合では完封目前に降板して3敗目を喫した右腕の名前をあえて出したことに、指揮官の思いが感じられた。

「入団した時から、僕の持ち味は真っすぐだと(言ってくれた)。悪かった時は厳しく、そして優しく接してくれる。2年目に一軍に上がった時は”チルドレン”と言われ、結果を残そうと思った。あれから期待に応えられていない。今年はしっかり結果を残すことで恩返しになるのかなと思っています」

危機感とともに走り続けるシーズンの先に、指揮官から成長を認められた言葉をかけられるかもしれない。

(※引用元 web Sportiva

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