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「緒方監督との確執はなかった」3連覇直前に名コーチが辞任した理由

2022年7月27日

「緒方監督との確執はなかった」3連覇直前に名コーチが辞任した理由

黒田博樹、新井貴浩が復帰した2015年、リーグ優勝へ期待は高まったが…

広島の打撃コーチとして丸佳浩、菊池涼介、鈴木誠也ら若手を鍛え上げ、リーグ3連覇の土台を作ったのが新井宏昌氏。2015年にはチームがBクラスに低迷し、成績不振の責任を取り自らチームを去った。本人の証言をもとに振り返っていく連載の第19回は「緒方新監督と過ごした1年」。

2013、14年の広島は丸、菊池涼らが力を発揮し、2年連続でAクラス(3位)入りを果たした。野村謙二郎監督が同年オフに退任し、リーグ優勝に期待がかかった2015年は、前年に1軍野手総合・ベンチコーチを務めていた緒方孝市が監督に昇格した。

黒田博樹、新井貴浩のベテラン2人がチームに復帰し、エースの前田健太(現ツインズ)にとって日本球界最後のシーズンに。若手、中堅、ベテランと駒が揃い、悲願のリーグ制覇に気運は高まっていた。新井氏も「2年間で選手の成長を感じていた。レギュラーになりつつあった選手が、責任あるポジションに就いて面白いチームになっていた」と振り返る。

「これだけは誤解しないでほしい。緒方監督との確執はなかった」

シーズンが始まると4月は9勝16敗で最下位スタート。その後は徐々に調子を取り戻していったが、Bクラスのまま10月に突入した。勝てばクライマックスシリーズ進出となるシーズン最終戦の中日戦に0-3で敗れて、結局は4位に終わった。投打が噛み合わず、地元紙にBクラスの要因が打撃コーチと監督のコミュニケーション不足と指摘されるなど、チームは揺れた。

結果的にこの年限りでチームを去ることになった新井氏だが、「これだけは誤解しないでほしい。緒方監督との確執はなかった」と、当時を振り返って“噂”を否定。「打撃部門の成績不振の責任を感じていたし、今までやってきたコーチ業と比べると、少し変化が出た年だった。全てを考えた結果、自ら去ろうと決断した」と、退団を決めた理由を明かす。

2013、14年と野村監督に仕えた2年間は試合前のスタッフミーティングでコーチ陣が試合のオーダーを提案。選手の状態、相手投手との兼ね合いなど、指揮官と意見を交わしながら作っていったが、2015年は緒方監督が熟考し、ミーティング前にオーダーを決定。コーチ陣はミーティング会場でホワイトボードに書かれたメンバーを見て、当日の打順を知るシーズンを過ごした。

2015年は「これまで私がやってきた打撃コーチの仕事ができなかった1年」

緒方監督は現役を引退した翌2010年から1軍コーチを務め、選手やチーム事情を誰よりも知っていた人物。新井氏もそれを分かっていただけに「監督自身が選手、データのことも理解している。だから、ミーティングをする必要がなかったのかもしれません。これまで私がやってきた打撃コーチの仕事ができなかった1年。どの球団、監督にもカラーがある。それは仕方ないこと」と語る。

自らが考えるコーチ業を全うできない――。手持ち無沙汰な感を胸に抱えながら、シーズンを終えると松田元オーナーに退団の意志を伝えた。

新井氏が去った2016年から広島は球団史上初となるリーグ3連覇を果たした。打撃コーチとして携わった丸佳浩、菊池涼介、田中広輔、鈴木誠也らが中心となった打線はセ・リーグを圧倒。課題を克服しながら、大きく成長した姿に「頼もしくもあり、嬉しくもあった。できれば(最終年の)2015年も打ってくれれば良かったですが(笑)」と、教え子たちの活躍を喜ぶ。

カープを退団してからは2016年に学生野球資格を回復し、アマチュア野球の指導にも携わった。それと同時に、解説者としてプロ野球界にも関わっていたが、2019年はソフトバンクに“復帰”することになった。これまでは1軍がメインだったが、今回は2軍打撃コーチとしての招聘だった。(橋本健吾)

(※引用元 Full-Count

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