7月下旬の球宴休み。広島の投打のコーチにコストパフォーマンスに優れている選手を挙げてもらった。「野手は上本かな。前半戦の活躍はうれしい誤算。5割(46勝46敗3分け)でいけたのは上本の頑張りが大きかった」
朝山東洋打撃コーチ(46)はそう語る。
上本はプロ10年目の内野手で年俸1400万円。今季は中堅で開幕スタメンをつかみ、コンディション不良による一時離脱があったものの、前半戦71試合に出場し打率・308、0本塁打、12打点をマークした。
上本はもともと守備走塁に強みがあったが、今季は打撃が開花した。朝山コーチはターニングポイントとしてサヨナラ3ランをマークした3月13日の日本ハムとのオープン戦を挙げ、「(開幕オーダーを決める際に)佐々岡監督に長打力がある、二塁打を打てますよと。そこから本人がチャンスをつかみ取った」と明かす。内野に加え外野も守れるため存在感は高まる。
投手は誰か。横山竜士投手コーチ(46)は「矢崎。開幕からずっと1軍に残っているリリーフ陣は栗林と彼。こちらとしては助かっている」と称賛する。矢崎はプロ6年目の右腕で今季年俸800万円。前半戦は27試合に登板し2勝0敗、1セーブ6ホールド、防御率2・48と安定感を発揮している。
150キロを超える直球とフォークの切れ味は抜群で今季は制球力が備わりつつある。横山コーチは「自滅する可能性が低くなった。非常に肩ができるのが早くてタフ。先発も経験しているけど中継ぎが向いている」と適性をみる。後半戦は守護神の栗林につなぐ勝ちパターンの一角を担う。
チームは前半戦を2位タイで終えた。首位を独走していたヤクルトの失速で可能性が広がりつつある逆転優勝、そしてクライマックスシリーズ(CS)圏内の滑り込むためにはレギュラー組、さらには上本や矢崎のような〝コスパの良い選手〟の奮闘も必要になる。(柏村翔)
(※引用元 サンケイスポーツ)