公式戦(8月25日、カープ3-2ヤクルト、神宮球場)
広島は25日のヤクルト戦に苦しみながらも競り勝ち、連敗を6で止めた。2―2の延長10回に代打・松山竜平外野手(36)が勝ち越し二塁打を左中間へ運んだ。8回途中から1回2/3を抑えた松本竜也投手(22)が2勝目。栗林良吏投手(26)は24個目のセーブで締めた。
26日の巨人戦(マツダ)からは新型コロナ感染で離脱中だった菊池涼介内野手(32)が合流予定。逆襲だ。
流れを手放しかけた中での指名だった。2―2の延長10回。無死一塁で、会沢のバントは投前ではずみ、1―6―4と転送されて最悪の併殺。2死無走者から矢野が右前打を放ってつなぎ、首脳陣は松本の代打に満を持して松山を指名した。
「アツ(会沢)はスゴい気持ちの選手。あそこまで大事に大事にやった結果なので、とにかく矢野が回してくれたら、絶対に打ってやろうと思っていた」
10回から登板した梅野の初球、144キロ外角高め直球を積極的に振り抜くと、打球は敵地の左中間を深々と割った。チームの連敗を6で止め、会沢のバント失敗をカバーする値千金の決勝二塁打。松山は二塁上で右手を突き上げ、代走が送られて帰還したベンチで手荒い祝福を受けた。
打撃自慢の36歳。思い起こせば8日前の17日、中日戦で0―0の延長11回に放ったサヨナラV打が記憶に新しい。今季は打率・204と低調ながら、代打では46打数12安打12打点、打率・261と存在感を発揮する。一球への集中力は健在だ。
「それでここまでやってきているから。そうやって結果を出しながらチームのためにやれることをやるだけ。貢献できるように」
それにしても苦しい試合だった。得点した1、4回以外の7イニングで3者凡退。一方的に防戦を強いられる中、投打で粘ってチーム一丸で勝利をつかんだ。監督代行の河田ヘッド兼外野守備走塁コーチは安どの息をつく。
「よくねぇ、本当に。矢野がよくつないだし、走者一塁だから歩かされることもなく、マツが高めの球を見事に叩いてくれた」
朗報はある。新型コロナ感染で離脱していた菊池涼が26日の巨人戦から合流。練習に参加して状態を見極め、早ければ同日のうちに出場選手登録される見込み。さらに翌27日には佐々岡監督や上本、野間、小園も姿を見せる予定だ。残り25試合。逆襲へ、一丸で混戦を粘り抜く。(江尾卓也)
(※引用元 スポニチアネックス)