広島の秋山翔吾外野手が10日、質よりも量にこだわって再起の道筋を作ると誓った。静岡・下田市の吉佐美運動公園で自主トレを公開。「1年前は、メジャー3年目で同じ失敗をしたくない思いで技術に寄りすぎた。一本一本キレイに振る方(の意識)が強かった。昨年に比べると振る方は追い込んで、2年前までやっていた形に戻す」と原点回帰のトレーニング法で輝きを取り戻す。
午前中4時間の練習は、半分以上を打撃練習に費やし、その全てがロングティーを含めたティー打撃。若手らにアドバイスを送る“秋山塾”を開校しながら、自身も徹底的に振り込んだ。「とにかくシーズンしっかり1年間、戦い切れるタフさを求めて。その決意。両膝に手をつくランニングとか、連続ティーだったり、どれだけ自分を追い込むか」と汗をにじませた。
昨季はシーズン途中に3年ぶり日本球界復帰を決断し、広島に加入。だが、へんとう炎などによる離脱が二度あり、出場は44試合に終わった。もちろん帰国という環境の変化などもあったとはいえ、加入後の期間を完走したとは言えなかった。昨オフの「一本一本きれいに振る方が強かった」という取り組みの結果だった。今オフは量にこだわった練習で、15~19年に5年連続フルイニング出場した西武時代に近い姿を取り戻す考えだ。
昨季は不本意なシーズンとなったものの「体力さえあれば、何とでもなるなと思った」と振り返る。15年にNPB新記録のシーズン216安打を記録した安打製造器。技術面においてはシーズン中でも修正は可能と考えている。だが、肉体面はそういうわけにいかない。「シーズン中に技術に割きたい時に、そっちに向かえるだけの精神的、体力的な余裕があった方がいい」。昨季の反省をもとに、オフの間にその土台を築き上げる。
今年から合同自主トレを行う同じ右投左打の外野手の後輩の宇草は「秋山さんを追い越すぐらいの気持ちで」と練習に励む。今季35歳を迎えるベテランにとって、若手の存在は刺激。「そういう思いで向かってきてくれないと、チーム力は上がらない。でも簡単に譲る気はない」。練習量でも若手を圧倒して、今季こそ頼れる主力としてチームをけん引していく。
(※引用元 スポーツ報知)