監督とは思えないほど、我を忘れたようにサヨナラ勝ちを喜ぶ指揮官も珍しい。広島は15日ヤクルト戦の9回2死から、秋山翔吾外野手(34)が逆転サヨナラ2ランを放った。
ホームベース付近で待ち構えるナインの歓喜の輪に、新井貴浩監督(46)もベンチから飛び出して駆けつけていた。到着を待ちきれないといった様子で、その場で小躍りするように跳びはね、秋山が生還すると抱き合って喜びを爆発させた。
試合後「興奮して覚えてないですね。打った瞬間『行け!行け!』って思っていた。すごかったですね」と新井監督。よくある光景として、ヒーローをベンチで待つような従来の監督とは違う。現役時代からの愛されキャラそのままに、選手と喜びを一緒に分かち合うのが新井さん流だ。
SNS上でも「あんなにはしゃぐ監督見たことない」「選手以上に喜ぶ姿がかわいい」「喜び方が現役の時と変わってない」などと話題になった。一方で、新井監督が得点時にガッツポーズして喜ぶことについて「阪神の矢野燿大・前監督と似てないか」という意見も出ている。
矢野監督といえば阪神前監督時代、「矢野ガッツ」と呼ばれる派手なガッツポーズを連発することで、チームの士気を高めようとした。ただ喜怒哀楽を前面に出す采配はもろ刃の剣でもあり、一部には賛否両論あったことは確か。監督の行動や言動によって、チームの雰囲気はガラリと変わる。
就任1年目の新井監督は開幕4連敗スタート。一時はどうなることかと心配されたが、選手の力を信じてロースコアの展開に持ち込み、粘り強い戦いで貯金生活へとV字回復させた。
シーズンまだ先は長いが、月間2度の雨天コールド勝ちという不思議な運を「持っている」のも強みだ。感情を出し、選手と近い距離で、選手とともに歩む新しい監督像を築いてほしい。
(※引用元 CoCoKARA)