日本で成功を掴めなかった助っ人が、隣国で一躍ブレイクを遂げている。今季から韓国プロ野球のNCダイノスに所属するマット・デビッドソンだ。
昨季に広島に入団したデビッドソン。「3Aで32発を放った強打者」という看板を引っ提げての来日となったが、「日本の投手たちの変則的な投げ方に苦しんで、フォームの修正を繰り返したら自分を見失った」という32歳は、チームトップの19本塁打をマークするパワーこそ見せつけたが、OPS.698、得点圏打率.136とポイントゲッターとしての役割を果たせず。単年で見切られる形となった。
いわば、「ダメ助っ人」のレッテルを貼られてしまった感も否めなかった。そんなデビッドソンだが、韓国では、まるで別人のような打撃を披露している。現地時間6月24日時点で、本塁打王争いで単独トップとなる23本を記録。そのほかのスタッツでも、打率.284、長打率.591、OPS.950と上々の数字を収めているのだ。
この望外の活躍には、韓国メディアも目を丸くする。「予想以上の大当たりだ」とデビッドソンのパフォーマンスを伝えた日刊紙『朝鮮日報』は「打撃はコンタクト力だけが問題だった。ゆえに日本球界の投手たちのレベルが高い分、韓国でならもっと打てるだろうという分析は間違っていなかった」と指摘した。
さらに同紙は、「二段モーションやあらゆる変化球を多用する投手が多い日本球界は外国人打者が適応しにくい場所」と紹介。「力勝負が目立つメジャーリーグのスタイルに適応した打者が生き残るためには血のにじむような努力が必要」とした上で、「デビッドソンもレベルが異なるKBOリーグでなら成功できる」と新助っ人が馴染んだ要因を伝えている。
わずか1年で去った日本での失敗を糧に韓国で異彩を放つデビッドソン。「打高投低」が顕著となっている韓国球界で、彼がどこまでの成績を収めるかは注目したいところだ。
(※引用元 CoCoKARA)