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年間100試合参戦「応援団」、驚きの生活スタイルから懐事情まで…

2024年7月8日

年間100試合参戦「応援団」、驚きの生活スタイルから懐事情まで…

球場へと観戦に行けば、外野スタンドの一角にその姿を見ない日はない。ラッパや太鼓、あるいは豪快な旗振りで、ファンの応援を牽引する「応援団」。プロ野球という日本独自の文化の一翼を担う存在と言ってもいいだろう。

ただ、その実態については、あまりよく知られていないのも事実。どんな人たちがやっているのか? 毎試合の応援のために、時間とお金をどうやりくりしているのか?団員の数はどれくらい? 入会方法は?

次々と浮かぶ素朴な疑問を、現役の応援団員にぶつけてみることにした。答えてくれたのは、埼玉西武ライオンズ私設応援団の一つである「若獅子会」の荒井佑介さんだ。加入14年目、現在は同会の副会長を務めている。

高2で入団「親父には反対されました」

「高校2年生のときに『応援がカッコいい!』と思って、若獅子会のホームページから問い合わせをしたのが始まりです。僕の地元は千葉ですが、親が西武の株を持っていて所沢まで野球を見に行くことがちょくちょくあったので、ライオンズは身近な存在でした。

未成年が応援団に入るには親の許可が必要だったんですけど、最初、親父は反対してましたね。やっぱりお金がかかりますし、学生は学業優先なので。それでもなんとか説得して入会させてもらいました」

ちなみに若獅子会の現団員にも中学生がいるが、現在の規定でも、未成年者が入会する場合はさまざまな条件をクリアする必要があるという。

晴れて入会を果たした荒井さん。千葉から所沢まで可能な限り応援に駆けつけながら、球場に行けないときはトランペットの練習に励んだ。応援団といえば、やはりトランペットの演奏は欠かせない。だが、少なくとも若獅子会の場合、楽器経験のある団員はほぼゼロ。入会を決めてから練習を始めた人ばかりだそう。荒井さんはしみじみと思い返す。

「トランペットを買って、幕張の海まで行って練習をしました。夜に独りで吹いていると、ディズニーランドの花火が見えるんですよ」

シーズンが終わると貯金は「すっからかん」

高校生のころは夜遅くまで球場にいられないなど制約も多かったが、大学生になると同時に、自由度と本気度がいっきに増した。

「たくさん応援に行くために4年制の大学に入りました。アルバイトで稼いだお金で、遠征にも行けるようになった。試験を無視して函館まで行ったり……。でも、ちゃんと4年間で卒業しましたよ」

両立のコツは“逆シーズン制”。プロ野球がオフに入る秋から春の間に講義とバイトを詰め込み、単位とお金を貯められるだけ貯める。プロ野球が開幕する春からはその“貯金”を切り崩す生活が始まり、秋を迎えるころには「すっからかん」。翌年の春に向け、またゼロの状態から単位とお金を貯め直すのだ。そんなサイクルは、社会人になった今も変わっていないという。

「仕事は、5~6年前から都内でタクシーの運転手をやっています。基本は1日働いて1日休み。極力、試合がない日は全部仕事を入れてますね。お金については学生時代と一緒です。シーズンが始まるまでにできるだけ貯金して、シーズンが終わるころにはゼロになる。その繰り返しです」

「お金のことを気にしていたら、応援団はできない」

単純化すると「年収-生活費=応援団の活動費」という式で表せる。では、その活動費はどれくらいの金額になるのだろう?そんな質問に対して、荒井さんは次のように答えた。

「正直、考えたことがないんです。応援に行けた試合の数でさえ、この取材があるまで考えたことがありませんでした。あらためて数えてみたら、最近だと1シーズンあたり80~90試合くらい。学生のころだと100試合を超えたこともあります。お金に関しては本当に分かりません。それを気にしてたら、応援団はできないです」

費用がかかるのは、主にチケット代(一般の観客同様、試合ごとに購入)と交通費。北海道までの航空券は早期割引をフル活用するなど、できるだけコストを抑える努力はしているというが、年間100試合近く現地まで応援に行くとなればかなりの金額になると想像できる。

だが、そんなことは荒井さんたちには関係ない。ある意味、浮世離れしていると言ってもいいほどの純粋な価値観のもとで活動しているのだ。

(※引用元 現代ビジネス

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