シーズンの半分が経過した中、ウエスタン・リーグで6試合に先発して0勝5敗、防御率6.83。これが7月15日現在での常廣羽也斗の現状だ。
“デビュー戦”となった5月7日の同・阪神戦(由宇)からイニング数の27回2/3に迫る25奪三振という能力の高さを示す部分はあるものの、まだまだ課題は山積みだ。
球団が「今年(2023年)No.1」として12球団最速の1位指名公表に踏み切り、楽天との2球団競合の末に入団した。青学大4年春には全日本大学選手権でMVPと最優秀投手を受賞。即戦力として期待されながら、いまだ二軍で汗を流す日々を送る。右腕が今、探し求めているのは「根拠」だという。
「どういう投げ方をしたらこういうボールがいって、どういうボールが打者を詰まらせられるか」。試行錯誤を続けている。
1日でも早く一軍で活躍を、と思い描いた入団時の思いは当然、今も変わらない。だが、冷静に自分と向き合う。
「一軍以前に、自分の納得のいくボールを投げられないと。今、抑えたとしても結局、何で抑えたんだろうというボールだと、うれしくない」。根拠を見つけるためにも、今はフォームの再現性を高めることを第一に考えている。
優勝争いを繰り広げるチームを支える好調の一軍先発陣に割って入る隙はないものの、まだシーズンは折り返したばかり。
「今のところ、いい手応えというより、悪い部分がいっぱい出ている。これはダメということを一つずつ消しながら、正解を見つけていければ」
いずれ巡ってくる一軍デビューに向けて、一歩一歩、着実に階段を上っていく。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)