日本プロ野球選手会は23日、選手の移籍の自由を、12球団と日本野球機構(NPB)が制限する保留制度に関して、独占禁止法に違反しているとして公正取引委員会への申し立てを検討中であることを明らかにした。
選手会の森忠仁事務局長は「そもそも話し合いで解決しそうにない。第三者の意見を聞きたいという選手の思いもある」と説明。昨年12月の定期大会で公取委への申し立ては決議していたが、慎重にその時期を検討していくとしている。
公取委は2019年、「スポーツ事業分野における移籍制限ルールに関する独占禁止法上の考え方について」とした見解を発表。
移籍を制限するルールについて「チーム間の選手獲得競争が抑制される」と懸念を示す一方、その目的に関しては「選手の育成費用を回収できるようにすることで育成環境を向上させたり、戦力が均衡し競技の魅力を高めたりする効果がある」と一定の理解を示す。
独占禁止法に違反するかどうかは、さまざまな要素を総合的に考慮して判断するとしている。
あるセ・リーグ球団幹部は「もしも独禁法違反となれば、シーズンを続けられないかもしれない。法律に違反した契約のまま試合は開催できないという考えもある。訴訟のリスクだって出てくる」と指摘。
2004年の球界再編問題に端を発したストライキ以来、シーズン中断の可能性をはらむ〝禁断の扉〟は開かれるのか。(片岡将)
(※引用元 夕刊フジ)