セ・リーグ3位から一気に日本一まで駆け上がったDeNA。それもこれも9月4日まで首位だった広島の大失速があったからこそ。月間20敗はリーグワーストタイ記録だ。
「打線が単打しか望めない分、投手力を武器に打たせて取る野球を徹底。今季躍進したショート矢野雅哉と、ベテランのセカンド菊池涼介が組む二遊間は鉄壁で、もしコロナ禍のような120試合制なら優勝できていました」
では、歴史的大失速はなぜ起きたのか?
「9月になっても酷暑が続きましたが、気温が高いと気圧は下がって空気が薄くなる分、ボールは飛びやすく、各球種の変化は小さくなり、投手は不利になります。
疲れも出たのか、それまで徹底していた『打たせて取る野球』ができず、打ち込まれる場面も増加。ギリギリのところで保っていた勝利へのバランスが崩れてしまいました」
確かに9月の25試合中、ドームでの試合は2試合だけ。ほかはすべて屋外で、マツダスタジアムでの試合が16試合も。地の利どころか、マイナスに作用してしまった。
そして、歴史的混戦が続いた今夏、お股ニキ氏は「今後は各チームの4番が鍵を握る」と『週刊プレイボーイ』本誌で指摘していたが、それがまさに的中し、歴史的大失速を招いた。
「巨人の岡本和真、阪神の大山悠輔、DeNAのオースティンと、上位3球団は終盤で4番がしっかり仕事をしました。対して、広島は最後まで4番を固定できず。期待された末包(すえかね)昇大もケガの影響か、本領を発揮できませんでした。
ドジャースもそうですが、大一番こそ、本塁打が試合結果を左右します。コツコツつなぐ打線は日本人好みでも、安定した得点力には結びつきにくいです」
今年のドラフトで1位で大学屈指の強打者、佐々木泰(青学大)を指名したのも納得だ。
(※引用元 週プレNEWS)