セ・リーグ最低の貧打解消に向け、大砲候補の補強に余念がない。11月22日に広島はサンドロ・ファビアンの獲得を発表した。今オフの助っ人打者獲得はメジャー通算21本塁打のエレフリス・モンテロに続く2人目となった。
24年シーズンは途中まで優勝争いを展開した広島。しかし、終盤の大失速もあって、結果はBクラスとなる4位でフィニッシュ。低迷の原因は12球団最小の本塁打(52本)とセ・リーグ最下位の打率(.238)が顕著となった貧打にあったのは言うまでもない。
攻撃陣のテコ入れを図る上でファビアンの加入は小さくない“起爆剤”となる。現在26歳の外野手は、今年9月にレンジャーズでデビュー。しかし、3試合に出場して5打席無安打と結果を残せなかった。ゆえにメジャー実績はゼロに等しい。
それでも3Aでは打率.270、17本塁打、81打点、OPS.805、4盗塁と好成績を記録。通算でも打率.265、104本塁打、長打率.437、OPS.755と伸びしろを感じさせるスタッツを残している。
メジャー実績はほぼない選手との今回の契約は「先行投資」的な意味合いがあるかもしれない。
米移籍専門サイト『MLB Trade Rumors』によれば、広島はレンジャーズの40人枠ロースターに入っていたファビアン獲得のために契約解除金(非公表)を提示。その上で契約オファーを出し、40万ドル(約6100万円)に年俸70万ドル(約1億800万円)プラス出来高が付帯する単年契約を結んだという(※一部報道では総額580万ドル(約8億9320万円)に、60万ドル(約9240万円)のインセンティブが付帯する3年契約締結とも伝えられている)。
ファビアンの現状について「パワーはあるが、アメリカに残っていたらマイナーリーガーとしてもっと長くプレーしていたかもしれない」と強調する『MLB Trade Rumors』は、今契約を次のように分析している。
「たとえメジャーに定着できたとしても、ファビアンは調停資格を得るための勤務年数を得るには最低でも3年はかかっただろう。今回、日本に行くことで、傘下の球団を離れることになるが、より早く、より高い収入を得られる。おそらく、それが将来的に再びMLBでチャンスを掴むことに繋がる。日本で活躍すれば、アメリカでの新契約を模索できるだろう」
絶妙な交渉術で高ポテンシャルの助っ人を招き入れた広島。ファビアンとしても将来的なMLB復帰を見込んだ好オファーだったと言えよう。
(※引用元 CoCoKARA)