スポーツ番組「すぽると!」(フジテレビ系)の人気企画「プロ野球100人分の1位」で「守備部門」の投票結果が12月8日に発表され、パンチパーマがトレードマークの広島・矢野雅哉が34票でトップだった。
矢野は13票で2位の巨人・吉川尚輝と日本ハム・万波中正に20票以上の大差をつけての、圧倒的な勝利。
阪神の佐藤輝明は、「そこからその体勢で投げるのか…というプレーでウチも結構やられたし、他のチームもやられているのをいっぱい見てきたので、やめてほしいですね」と呆れ顔でコメント。
ロッテのベテラン・角中勝也は、「菊池とか今宮、源田とかが出てきた時か、それ以上ぐらいの衝撃」と大絶賛だった。
矢野には師匠の菊池涼介を含め、広島の選手から6票が投じられているが、阪神からも佐藤や近本光司ら6人が矢野を選んでおり、他チームの選手からも評価が高いことがわかる。また、メジャーを経験している青木宣親から貴重な1票が投じられたのは、広島ファンとしては嬉しいところだろう。
事実、セイバーメトリクスにおける守備の評価指標「UZR」を見てみると、矢野の守備が際立っていることが確認できる。UZRとは、同じポジションの平均的な選手に比べてどれだけ失点を減らしたか、を表したもの。2.0であれば、平均的な選手に比べて2点減らしたことを意味するのだが、矢野は「11.5」で12球団ダントツ。2位の西武・源田壮亮が「8.1」であることを考えれば、どれだけ矢野が守備で失点を防いでいるかがわかるだろう。矢野の場合、二遊間側から大きく離れたゾーンでも失点を抑止しており、守備範囲の広さが派手な守備の印象に繋がっているようだ。
今季は137試合に出場して打率2割6分、2本塁打、38打点の成績を残し、打撃でもブレイク。これまでは遠投125メートルの強肩ばかりがもてはやされ、「打席で打つな。投げられたボールをキャッチしてスタンドに投げ返せ」などと冗談めかすファンが少なくなかったが、来季はバットでもさらなる存在感を見せてくれるだろう。
今年はゴールデン・グラブ賞を獲得した矢野。記者の投票よりも同じ選手間での投票で選ばれた「100人分の1」の方が、ずっしりとした重みを感じられるのではないだろうか。(ケン高田)
(※引用元 Asagei plus)