広島は16日、海外FA権を行使してオリックスに移籍した九里亜蓮の補償について金銭補償を求めると発表した。九里の昨季年俸は1億4000万円(推定)のBランクで、人的補償も選択できる中、金銭での補償を決めた背景にも注目が高まっている。
昨オフも同じく広島からFAで主軸の西川龍馬がオリックスに流出。その際には若手投手の日高暖己を人的補償として獲得していた。
ただ今回においては、支配下枠が残り「2」と圧倒的に少ないことで、今後外国人選手の獲得、育成から支配下枠への昇格も見据えると、動きが取れなかったというのが実情といえそうだ。
また今回、オリックスに移籍した九里は当初海外FA権を行使してメジャーに移籍するという見方も根強かったため、人的補償が発生するという見込みを立てていたかは疑問も残る。現役ドラフトにおいても山足達也(元オリックス)、鈴木健也(元日本ハム)と史上初となる、2人の選手を獲得していた。
いずれにせよチーム方針として自前の選手を育成することで強化を目指すことで知られる広島においても、FAの人的補償とはいえ、他球団の逸材を獲得する機会を失ったことにはファンから落胆の声もあがっている。
ネット上では「(選手を)獲らなかったのか、獲れなかったのか」と、金銭補償となったことにフロントの判断を疑問視する声も出ている。
昨季9月を迎えた時点で首位に立っていた広島は月間20敗と終盤に失速。巻き返しを期すシーズンともなる。
オフにはFAで昨季の開幕投手の九里が流出、現役ドラフトでは一時抑えも務めた矢崎拓也もヤクルトに移籍となった。
投打の上積みが求められる中で今回フロントが下した判断はシーズン中にどう反映されるのか。今後も注目となりそうだ。
(※引用元 CoCoKARA)