これも「日本一効果」なのだろうか。DeNAの本拠地・横浜スタジアムのビジター席が大幅に減少することになった。
ハマスタではこれまで、レフト側の外野席をビジター用に全て開放していたが、今季から約半分のスペースをホーム用に変更。日本一になったチームのため、球場を訪れるDeNAファンに向けて、座席を一気に増やすようである。
ところがアウェーに熱心に足を運んでいたビジターチームのファンにとっては、看過できない問題となる。とりわけ阪神ファンと広島ファンは、かつて閑古鳥が泣いていた時代から外野席をいっぱいにしていたことで、「今さら減らすとはナニゴトか」と怒り心頭なのだ。
今では常勝軍団に片足を突っ込む戦力となったDeNAだが、2006年から2015年は10年連続Bクラスで、1試合あたりの平均観客動員数は1万5000人程度。12球団最下位であり、座席稼働率は約50%にとどまっていた。フラッと訪れて当日券で観戦できる気軽さはあったものの、ビジターファンが来場しなければ、さらに悲惨な状況になっていたことは間違いない。
予想されるのは、ビジター席から溢れた阪神ファンや広島ファンが、ウイング席やホーム内野席に侵入してくることだ。ハマスタでは「DB応援(ベイスターズファン専用)」「ホーム」と記載がある席では、ビジターチームのグッズ使用やユニフォームの着用、応援等はできない決まりになっているが、それ以外の席はホーム、ビジターどちらのファンも利用できる。もっとも、大勢のDeNAファンの中で赤や黄色のユニフォームを着ていたら、わざわざケンカを売っているようなものだ。
そもそも甲子園やマツダスタジアムは、スタンドのほとんどがホーム席で、ビジター席はごく一部しか用意されていないため、「お互い様」という声も上がっているが…。
チケットが爆売れしている近年、どうせならDeNAファンに席を開放したいというのは、経営的には間違ってはいないだろうが、無用なトラブルが発生しないことを祈りたい。(ケン高田)
(※引用元 Asagei plus)