真価が問われるレギュラー2年目となる。
ゴールデン・グラブ賞の連続受賞はもちろん、「より確実性を上げられたら、狙える位置にはいるかなと思った」と、矢野雅哉が新たな目標として掲げるのが、盗塁王のタイトルだ。
昨季13盗塁は小園海斗と並ぶチーム最多で、阪神・近本光司に6差のリーグ3位タイだった。112だった安打数は、近本と48差。この差を埋めれば、十分に可能性はある。さらに、昨季にプロ野球最多の1打席22球を記録した、驚異の粘りも持ち味。
「打率を意識せず、出塁を意識してやっていく。塁に出れば、盗塁企画も多くなる」
今季初めて対外試合にスタメン出場した2月18日の練習試合・楽天戦(コザ)では、初回、無死一塁の第1打席で粘った末に四球を選んだ。同様の打席が増えれば、おのずと盗塁企画は増えていくはずだ。
新井貴浩監督は「彼は思い切りがある。スタートを切る勇気もあるし、洞察力、観察力もすごくある」と、矢野の盗塁技術を評価する。
昨季の近本は、2リーグ制後では初めて20盗塁未満でタイトルを獲得した。近年のセ・リーグは盗塁数が減少傾向にある。バッテリーの対策が強くなっていく中で、走力と同等に「勇気」も“勝機”をつかみ取るカギとなる。
「またポジションを奪うつもりでやる」
そう意気込んで臨む今年、侍ジャパン強化試合の代表メンバーに選ばれ、3月には人生で初めて日の丸を背負う。
「少しでも野球人として成長できたら。成長してシーズンに入っていければ」
まずは正遊撃手を不動のものにして、攻守走すべてでチームに欠かせない存在となる。(写真=下田知仁)
(※引用元 週刊ベースボール)