カープ一筋16年目を迎える。
堂林翔太は、オープン戦を打率.474の好成績で終えた。「結果は別として、キャンプからずっとやりたいことがやってこられた。シーズンに入る準備はできたのかなと思っています」と納得の状態で開幕を迎えた。
オフから「周りを見る前に自分のことをしっかり。まずは自分がしっかり結果を出せるように、必死に」と、己と向き合った。
昨季は開幕四番を任されながら、不振による二軍降格もあった。2年目を迎えた選手会長も、結果を残してこそのチームリーダー。「その中で周りが見えるところもあったし、その都度(若手に対して)言うようにはしていた。あとは試合で、個々が最高のパフォーマンスを出すだけなのかなと思います」と、静かに闘志を燃やす。
開幕後は“代打の切り札”の難しい役割が求められる。開幕前は若手以上の結果を残したものの、背番号『7』が担うのは経験の浅い若手では務まらないポジションだ。
新井貴浩監督は「キャンプから調子の波はあるけど、平均して高い所の小さな波で、すごく内容もいい」と期待を寄せる。
自身と同じポジションの一塁にモンテロ、外野にはファビアンという右の強打者が新加入。指揮官は「シーズンは長い。最初はなかなか打席数が少なくなるかもしれないけど(調子を)キープしておいてもらいたい」と、143試合の戦いを見据える。
堂林自身も当然、代打だけに甘んじるつもりはなかった。「代打だろうがスタメンだろうが、やることは変わらない。与えられたところで仕事をするだけ、というシンプルな考え」。
開幕早々、4月1日までに主軸のモンテロと秋山翔吾が負傷により離脱した。「チームとして試されるときが、いきなり来た」。自身も、“代役”四番に奮起した。
どんな立場でも、シーズンを通してチームに欠かせない存在となる。(写真=井沢雄一郎)
(※引用元 週刊ベースボール)