今季8登板を終えた時点で3勝3敗、防御率2.33は、やはり物足りなさが残る。
森下暢仁は、チームが6連敗で迎えた5月2日の中日戦(マツダ広島)で2回に2点先取してもらいながら、直後の3回に3失点。
6回4失点で今季初めてQS(クオリティースタート=6回以上自責3以下)を逃し、3敗目。「内容のないというか、申し訳ない投球をしてしまった」とうなだれた。
6年目で初めて託された開幕マウンドは、初回に阪神・佐藤輝明に先制決勝の2ランを浴びて7回2失点で敗戦。
その後に3戦3勝したが、開幕から4戦連続で先制を許し、以降の2戦はともに先に援護をもらいながら逆転負け。
好左腕・東克樹と投げ合った4月25日のDeNA戦(横浜)は適時失策で決勝点を奪われる不運もあった。だが、背番号18に求められているのは、常に相手を圧倒するような投球だ。
4月18日の阪神戦(甲子園)では、2失点完投で通算50勝を達成した。通算116登板での到達は、球団の日本人投手で前田健太(現カブス)の122試合を上回り、野村祐輔(現三軍投手コーチ兼アナリスト)の110試合に次ぐスピード記録。
過去5年で2ケタ勝利は3度あるが、3度とも10勝。今季は2年連続4度目となる“11勝の壁”の打破が最低ノルマだ。
新井貴浩監督は「引っ張ってみろ、やってみろよ、という気持ち。『今年は見せてくれ』と期待を込めた」と就任3年目の開幕を託した。
開幕投手を務めたからこそ、今後も毎週のように好投手とのマッチアップが続く。真のエースへの階段を登り切るため、投げ勝っていくしかない。(写真=井沢雄一郎)
(※引用元 週刊ベースボール)