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中村奨成が「ホームランを打ちたい」を捨ててたどり着いた『新境地』

2025年6月25日

中村奨成が「ホームランを打ちたい」を捨ててたどり着いた『新境地』

【二軍降格を機にフォームを改造】

── 今季ここまで試合数、打席数、安打数はすでにキャリアハイを更新するシーズンとなっています。

中村 昨年が自己最多だったので、それをもう超えられたのは素直にうれしいですね。

── 昇格の時期や経緯は昨季と似ていますが、これほど結果に違いが出た要因はどこにあると感じられますか?

中村 昨季までは二軍で打てていたので、どんな形でも「一軍に上がれば、打てるだろう」という自信はありました。でも今年は、二軍でも打率が2割を切るほど打てていなかったんです。オープン戦から打撃内容がめちゃくちゃ悪くて、思うような打撃ができていなかったので、二軍に落ちた時にフォームを変えたんです。じつは、昇格した時もまだ変えたばかりで、自分のなかでもモヤモヤしている時だったんです。

── どのようにして状態を上げていったのですか?

中村 打席をもらうまで2週間くらいあったと思うんですけど、僕にとってはその時間が大きかったと思います。新しいことに挑戦していたなかで、二軍ではなく、一軍に帯同しながら取り組めた。やっぱり二軍で探っていくのと、一軍で探っていくのとでは違うなと感じました。一軍の試合を見ながら、また一軍の選手と練習をしながらやってきたことで、「これだ!」というものが見つけることができたと思います。

── 昨季までは二軍と一軍では違う選手のような打撃に感じられました。一軍に同行しながら調整できたことで、そういったギャップを埋められたということでしょうか。

中村 そこが一番大きいと思います。昨季までは降格する時に「二軍で多く打席に立ってきなさい」と言われてきたのですが、正直、実戦から2週間遠ざかっていても、二軍では打てたんです。でも、それをあらためて考えると、”二軍投手に対する打撃”でしかなかったんだなって。あのフォーム、あのスイングは、二軍だから打てたものだったんだなと、今になって感じています。

【体を崩されてもバットが出る】

── 昨季終了後の秋季練習では無駄のないフォームに取り組んだ時期もありました。

中村 自分のなかで試行錯誤しながらやっているつもりだったんですけど、どこか迷いや納得していないところがあったのかもしれません。秋季練習中に、新井(貴浩)監督から「没頭して取り組んでいるように感じない。前のフォームに戻しなよ」という話をしてもらったんです。フォームを戻すと、やっぱり自分が振り慣れた形なので、調整時期の秋季キャンプや春季キュンプでは打てるんですよ。プレッシャーもありませんし。

でも、いざ開幕に向けたオープン戦が始まると、全然ダメだった。二軍に落ちてからも、全然よくなかったので、福地(寿樹)さん(二軍ヘッド兼打撃・走塁コーチ)と(新井)良太さん(二軍打撃コーチ)さんと話をしながら打撃フォームから見つめ直したんです。

── 二軍で着手したフォーム変更とは。

中村 今の形がいい、悪いではなく、あらためて「一軍の投手に対していいアプローチをしていこう」と。自分にとってはオープン戦でも結果が出ていませんでしたし、ガラッと変えようと腹をくくることができました。

── 言葉で表現できる変更点は。

中村 バットの出(ていく形や角度、姿勢)ですかね。自分が思ってところにスパッと出せるようになったんです。だから、たとえ崩されてもすんなりバットを出せる。一軍の投手との対戦では、自分のスイングをさせてもらえない打席もある。毎打席自分のスイングができるわけじゃない。そこでいかに崩されても、詰まらされてもヒットにできるか。そう考えた時に、まずバットの出がよくないと始まらない。

── 新フォームに手応えを感じたのはいつ頃ですか?

中村 練習から打球の質がよくなっていったんです。高い弾道ではなく、真っすぐの回転で角度のついたライナーの打球。試合に出る機会はそれほどありませんでしたが、練習のなかでよくなっていった感覚があります。

【力と力の勝負を挑んでも勝てない】

── そこから徐々に代打での出場も増えてきましたね。

中村 今季初打席(4月11日の巨人戦)は代打でしたけど、1球で仕留められたことで手応えを感じられました。早く試合に出たいなと思っていたところで、(4月18日)ナイターの前に二軍の試合に出る「親子ゲーム」をしたんですけど、そこで阪神先発の伊藤将司さんから2安打したんです。試合前から「打てばいいアピールになる」と思っていましたし、実際に打席でもすんなりバットが出せたんです。

── その2日後、左腕の伊原陵人投手が先発した阪神戦で今季初スタメンとなりました。

中村 そうですね。伊原投手からも1本打てましたし、自分のなかでは7回にゲラ投手から打ったセンター前ヒットが一番いい感触がありました。150キロを超える速球を左中間にライナーで打ち返せた。あの打球は、自分が追い求めていたものに近い、練習どおりの打球を打てたと感じました。

── インパクトまでの動きが小さいと力感を感じにくくはないのですか?

中村 やっぱり力感はほしいですよ。飛ばしたいし、ホームランも打ちたい。でも、それで何年も失敗してきたので。投手の球速も上がっていますし、自分には外国人選手のような体や筋力はないので、やみくもに力と力の勝負を挑んでも勝てません。でもゲラ投手から打った時のように、速い真っすぐに対してもバットの振り抜きがよければ勝手に飛んでいく。そう感じられました。飛ばす以前に、前に飛ばないと意味がないですからね。

── 打席数が増えたことで、打席内での落ち着きや冷静さも生まれたように感じます。

中村 それもバットをいつでも出せるという安心感が大きいと思います。待っていた球ではなくても、詰まりながらヒットコースに飛ばせたり、泳がされながらもヒットにできたりすることが増えてきました。

たとえば4月27日のDeNA戦で(トレバー・)バウアー投手から打った三塁打は、真っすぐに詰まりながらも右中間に持っていけた。5月7日のヤクルト戦で山野(太一)投手から打ったレフト線の当たり(左越え二塁打)も、崩されながらなんとか食らいついていこうと運べた。それらは今年、バットが出やすいところにあるからだと思います。

(※引用元 web Sportiva

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