公式戦(7月26日、カープ9-3阪神、甲子園球場)
広島は26日の阪神戦(甲子園)に9―3で勝利し、3年連続でセ界最速の50勝に到達した。今季初対戦の藤浪から初回いきなり5得点のビッグイニング。2番・安部ら、左打ちの野手6人を並べるオーダーが思惑通りに機能した。4回からの2イニングを零封したアドゥワが3勝目。リーグ3連覇へのマジックナンバーは、最短8月1日に41か42が点灯する。
藤浪対策が物の見事にハマった。
試合開始直前になって土砂降りに見舞われ、予定より1時間12分遅れの午後7時12分に始まった試合。初回のビッグイニングが効いた。広島・東出打撃コーチに「あそこがキーだった」と言わしめたのは2番・安部だ。
「速い直球をケアして足もとを狙った。後ろの丸や誠也につなぐ気持ちでした」
無死一塁に四球の先頭・田中を置く場面。カウント1―2と追い込まれながら、152キロ真ん中低め直球をコンパクトなスイングで中前にはじき返した。好機は無死一、三塁へと一気に拡大。この一打が、右腕KOへの呼び水となった。
続く丸にも四球を与えると、藤浪は完全に浮き足立つ。無死満塁から、鈴木の遊ゴロで先制点。松山も四球で出塁した1死満塁で、勝負強さを発揮したのは6番・西川だ。カウント1―1からの152キロ真ん中高め直球を捉え、左中間へ2点二塁打を放ってみせた。
「チャンスなので積極的に思い切っていった。いい形で次につなぐことができました」
さらに今季初スタメンの岩本がストレートの四球で歩くと、阪神ベンチはたまらず交代の断。5点攻撃の総仕上げは8番・礒村だ。2番手・岡本が2ストライクから投じた128キロの外角高めスライダーを右前へ運び、2走者を生還させた。
「何とか1点という気持ちで食らいついた。コースに逆らわずうまく打てました」
左打者の被打率が3割近い藤浪の特徴を踏まえて、菊池に代わる2番に安部を入れ、スタメンに左打ちの野手6人を並べた打線。初回はその6人全員が出塁し、迎打撃コーチは「相手の嫌がることをやるのも大事なので」としてやったりだ。
藤浪を自滅に追い込んだ攻撃に、緒方監督は「各打者が、相手投手にプランを持って入っているのが見えた。しっかりした攻撃ができた」とご満悦。これで3年連続のセ界最速50勝に到達。待望のマジックは最短8月1日に41か42がともる。(江尾 卓也)
≪V確率83%≫
広島がリーグ最速で50勝をマーク。広島のセ・リーグ50勝一番乗りは3年連続7度目。チームでは79、80年の2年連続を上回る最長記録になった。
また、過去2年の50勝到達日は16年7月9日、17年7月8日。セで3年連続で7月までに50勝一番乗りは12~14年巨人に次いで2度目だ。なお、昨年まで広島が50勝一番乗りした6度のうち優勝は5度あり、V確率は83%になる。
(※引用元 スポニチアネックス)