
新井貴浩監督率いる広島はレギュラーシーズン5位で終了した。59勝79敗(5分け)と15年ぶりの借金20が重くのしかかる。
就任3年目となった今季、「集大成」の戦いが期待されるも、勝負の9月に入っても巻返せない。6勝16敗、シーズン最終となった10月4日のヤクルト戦(マツダ)も1-3と敗れ、5連敗フィニッシュ。
試合後のセレモニーでは、勝ち星が遠かった新井監督に向けて広島ファンの間からは怒りの声も飛び出したことも話題を集めた。
5位からの巻き返しを図る来季にはどんな視点、戦力が必要となるか。野球評論家、近鉄OBの佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回はセ・リーグBクラスに沈んだ中日、広島、ヤクルトに「変革の時ですね」と大きく意識を変える必要があると訴える。
今季、藤川阪神は優勝決定時に貯金独占など圧倒的な強さを示したことにSNS上では「セ・リーグは終了です」などといった声も上がるなど、ほかの5球団ファンにはペナント争いをもっと盛り上げて欲しかったという声も上がった。
このような状況に佐野氏は「今シーズン、下位に低迷しているチームは大きな改革が必要な時じゃないかなと思います」とズバリ。
まず井上一樹監督が就任1年目となった中日には「厳しい言い方をすると、もう1つ先の塁を奪えないとか。守備の面でちょっとスキを見せたりとか」と凡ミスも目立ったとする。
「なんやかかんや接戦の多いチームなので、そういう部分をしっかりやっておけば勝てる部分はあると思うんですけど」「奇をてらうのもいいんですけど、ドラゴンズの強さは”当たり前のことを当たり前にやる”こと。そのへんも若手が多いからといって甘かったのでは」と、勝負の鉄則ともいわれる凡事徹底を改めて求めた。
そして最終的に借金20に沈んだ広島には「打線で目立ったのは小園とファビアンぐらいかな。ただ、ポテンシャルの高い選手はいろいろといるので、それをいかに形にできるか。去年チームが良かった時にはその形が機能していた」とコメント。
来季に向けた巻き返し、チームの引き締めには「新井監督の性格もあるし、ヘッドの藤井コーチも良く知っているんですけど、いまはやっぱり首脳陣おおらかですよね」と言及。
「ポイントポイントでピリッと締めるような。怖さを出すというより、厳しさを出す」「結果が出てない選手に厳しくするのはだれにでもできること。ではなくて、結果が出てても『気を抜くなよ』『こういうところをスケールアップしていこう』とケツを叩くような厳しさがあってもいいと思いますね」と伸び盛りの若手も多いことで、覚醒を促す声がけも大事とした。
そして来季は主砲の村上宗隆もメジャー挑戦で抜けることが確実となっているヤクルトには、勢いを取り戻すことを求めた。
「ヤクルトの池山新監督はアニキ肌。僕は一言でいうと”イケイケのヤクルト”が見てみたい。細かいことを気にせずに元気のあるチームを見たいです」とキッパリ。今季は主力に故障者も多く、シーズン前半から下位に低迷。村上がシーズン途中から復帰、56試合で22本塁打と持前の長打力を発揮したが、来季はその村上もいない。
フロントに対しても「あとはオスナ、サンタナもいい選手ですが、ドでかい一発打てる外国人選手が見てみたいですね」と新監督となることで"ご祝儀補強"も鍵を握るとした。
Bクラスに終わった球団にとっては、ここからがもう一つの戦い。監督、ナインたちもこの悔しさを生かした秋季キャンプの取り組みも注目されそうだ。
(※引用元 CoCoKARA)