
2025年シーズンを5位で終えた広島カープが、来季に向けた体制の見直しに着手した。高橋建2軍投手コーチと横山竜士2軍投手コーチの退任を発表。1軍投手コーチとしても実績がある高橋コーチは、佐々岡真司監督時代の2022年に、12年ぶりに復帰。翌年からは2軍の投手陣を担当していた。横山コーチも長年、投手育成に尽力してきたが、チーム再整備の流れの中で役割を終える形となった。
球団は今後、後任コーチの人選を進める方針だが、課題は投手陣だけにとどまらない。今季の広島は得点力の波が大きく、長打不足が目立った。朝山東洋1軍打撃コーチは現役引退後の2005年からずっとコーチ職にあり、通算20年を超える指導歴を持つ。だがチームの停滞もあって「生え抜きにこだわらず、外部から招聘してほしい」「なぜ建さんが辞めて、打撃コーチはそのままなのか」という声が、ファンの間で高まっている。
そうした中で目をつけたくなるのは、今季限りで巨人のヘッド兼打撃チーフコーチを退任した二岡智宏氏だ。阿部慎之助監督のもとで打撃部門を統括し、若手育成に定評があっただけに、その退任は球界内外に少なからぬ驚きを与えた。
二岡氏は広島県三次市出身。広陵高校から近畿大学を経て、1998年ドラフトで巨人に入団した。当時は地元球団の広島のほか、阪神が逆指名制度を利用して獲得を目指していたが、最終的に巨人を選択。入団時の契約金は「5億円+退団時の功労金7000万円、出来高3000万円」と伝えられており、当時の「最高標準額」枠を超える金額との指摘があった。遊撃手として野村謙二郎の後継と期待されていたのだが…。
今では当時の経緯を知るファンは少なくなった。若い世代にとって二岡氏は「地元出身の元選手」ではなく、指導力と育成実績を備えた有能なコーチとして映っている。
当時のドラフトを知る古参ファンにとっては、今こそ地元球団に貢献してほしい、との思いがあろう。もし広島の打撃陣に新たな刺激を与え、結果を残せば、長年のわだかまりは自然に薄れていくかもしれない。
コーチ人事は来季のチーム作りに直結するテーマだ。Bクラス脱却のため、広島はどんな指導体制を築くのか。(ケン高田)
(※引用元 Asagei plus)