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たびたび出るCS不要論に物申す!ファンの愛を増幅させる装置なのだ

2018年10月8日

たびたび出るCS不要論に物申す!ファンの愛を増幅させる装置なのだ

広島東洋カープがセ・リーグ3連覇を達成しましたが、その裏で恒例行事のごとく「CS不要論」が巻き起こっています。特にセ・リーグの場合はシーズンを通じて負け越したチームが日本シリーズに進む可能性、ひいては日本一になる可能性があり、「そんなものはけしからん」という意見です。

たしかに私もベイスターズ時代に、年間144試合戦って勝ち取るリーグ優勝が最も価値のある称号だということを実感しました。リーグ優勝という称号を得た上で、その上にさらに日本一の称号も獲得することがとても重要で意味あること、大変なことだということを目の当たりにしました。

CSのホーム球場が漂わせる熱狂

ただ個人的にはCSという制度、仕組みはおもしろいものだと思っています。リーグ優勝決定後の消化試合を減らして、プロ野球を最後まで盛り上げる興行としての意味合いでももちろんそうです。

2位と3位が実戦感覚をしっかり保ったままの状態でポストシーズンを戦えて、1位は間が空いてしまう構造上の問題点はありますが、CSの“ホーム感”って、本当にすごい。

私もCSを戦うために広島に行ったことがありますが、着いた瞬間そこにいる人たちはみんな広島東洋カープ、要するに“敵”です。横浜の人間だとバレたらまずいんじゃないか!? と肩身が狭く感じたものでした。

また、球場のビジター側の応援席がカープファンに買い占められた件もありましたが、それも見方を変えれば「万全のホームで戦わせたい」一種のチーム愛ということ。それだけの熱気を持って応援してくれる中で試合できるというのは、それだけでも十分なアドバンテージとなるでしょう。

下克上も一種の“装置”に

反論はあるでしょうが、CSの醍醐味でもある「下克上」、達成した側はそれはそれで痛快ですし、逆の立場なら悔しさ虚しさ、やるせなさ満載です。3位のチームが、リーグ戦を圧勝したチームを破って日本シリーズに進んだらものすごく興味深いことですし、その盛り上がりが野球ファンを超えて一般生活者にまで広く伝わることもあるほどです。

トップを独走したチームが、あっさりと負けてしまうなんてことも起こりうる。そこにはファンの希望や喜び、失望や怒りを感じさせる要素がギッシリ詰まっています。実はこれが、CSがおもしろい仕組みだと考える最も重要な理由ですし、CSは「複雑に絡み合う地域とファンの愛を生み出す」ための“装置”となっていると私は捉えています。

この感情をいかに生み出し、蓄積させるかがプロスポーツリーグビジネスのキモで、地域密着を掲げる興行主としてのブランドマネージャーの役割でもあります。よく「ブランドイメージを刷新します!」と言ってロゴマークを変える企業もありますが、それだけではまったく意味がありません。

グッズ売り上げ54億円の凄まじさ

重要なのは空気をコントロールすること。“ザ・オーナー”である広島東洋カープの松田元・球団オーナーは、その空気作りがプロスポーツリーグビジネス界一卓越していると思います。

1つの例としてグッズの販売力を見てみましょう。広島東洋カープの球団グッズ売上げは今やおよそ54億円。こんなに売り上げている球団は他にありません。グッズの機能的、情緒的な両側面のデザインが素晴らしく長けていて、カープのブランド構築の大きな因子と化している。他のプロチームが表面上だけ真似しても上手くいかないでしょう。

また、軽々しく触れるべきではないかもしれませんが、自然災害などの出来事が日本各地で起きました。さらには長年活躍した選手の引退など、その地域で積み上がった空気や感情は、カープのようなアイコン、魂に複雑なまでに絡みつきます。

広島という地域の感情、想いが

話をカープのV3に戻しましょう。過去2年は、入れ替わり立ち替わりのパ・リーグ覇者に、別の地域に日本シリーズの旗は持ち去られました。コンプリートしなくてはならない2枚の旗がまだ揃ったことがないわけです。

3年目、広島の地域の様々な感情、想い。そういったものがより複雑に絡み合っているのではないかと、私は2年前の広島で味わった、怖いまでのアウェイ感を思い出しつつ、今年の空気を推測しています。

そんな中で行なわれるCSからの日本シリーズ。2枚の旗が3年目にして初めて広島に揃うのか。ベイスターズの行方も個人的に気にしながら、今年の野球はまだまだ続きます。(池田純)

(※引用元 Number Web

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