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巨人の下剋上を許さぬカープの凄み、四球数とベンチワークが両者の差

2018年10月20日

巨人の下剋上を許さぬカープの凄み、四球数とベンチワークが両者の差

同じような負け方をシーズン中に何度も見た。終盤の逆転劇は今季の広島の得意芸であることはいうまでもない。

だからこそ巨人・高橋由伸監督は思い切った決断で、試合の主導権を握ろうとしたのである。

「僕の中ではリードしている展開は2人でと考えていた。田口は今シーズン1番、いいんじゃないかというくらいに頑張ってくれていた」

敗戦の三塁側通路で巨人の指揮官はこう言葉を絞り出した。

6回67球で好投の先発・田口麗斗投手から継投に入った決断は、1度はハマったかに見えた。7回を2番手の畠世周投手が完璧に抑え、回またぎの8回も2死まで1人の走者も許さなかった。あと1人、畠が広島打線を抑えきって9回には守護神・山口俊に繋いで逃げ切る。

だが、そんな指揮官の思惑は無残に崩れた。

この敗戦……1つだけ痛恨事が!

2死から代打・新井貴浩内野手の適時二塁打で追いつかれ、さらに田中広輔内野手を歩かせた2死一、二塁から菊池涼介内野手に決勝3ランを浴びて撃沈した。

田口をもう1イニング投げさせていれば……新井に同点打を浴びた場面か、遅くとも田中を歩かせた場面で山口にスイッチすべきだったのではないか……。

様々な考えがあるだろうが、それは結果論だ。高橋監督は決断をして、その決断で敗れた。もちろんその責は指揮官が負うものである。しかし、もし田口を続投させていても、畠から山口にスイッチしていたとしても、結果はどうなっていたかは分からないのだ。

ある意味、高橋監督にとって諦めのつくものだったはずである。

ただ、この敗戦には1つだけ痛恨がある。

それは巨人がやるべきことをきちっとやり切らずに、広島の逆転劇の引き金を引いてしまったことだった。

そしてその逆転劇の舞台を作ったのは、やはり今季の広島の強さを象徴するものだったのである。

広島が誇る圧倒的な“四球力”

今季の広島の強さを示すデータがある。

チーム打率2割6分2厘はヤクルトの2割6分6厘、中日の2割6分5厘に次ぐリーグ3位にもかかわらず、チーム総得点721点はヤクルトの658点、中日の598点、そして巨人の625点を大きく引き離している。

大きな理由が両リーグを通じてダントツの599個という四球数だった。

3番の丸佳浩外野手の130個を筆頭に鈴木誠也外野手が88個、田中が75個など、とにかく四球を奪いとる選球眼がずば抜けているのだ。

巨人の四球数は465個。この134個の違いがそのまま得点数だけでなく、順位の違いにも表れているとも言って過言でないかもしれない。

その広島の“四球力”が土壇場で逆転の引き金となる。

「やっぱりあの四球やろ」

1点を追う8回だ。

2死から代打の松山竜平外野手が打席に立つ。

その松山がフルカウントから、畠が真ん中低めに落としたフォークをきっちり見切って歩いた。

「やっぱりあの四球やろ」

試合後の巨人・村田真一ヘッドコーチの言葉だ。

土壇場で際どいコースを見切って奪った四球は、これぞ広島打線というものだった。2死から四球で走者を出したことは、巨人にとってはミスといえばミスだったかもしれない。点差は1点。しかも打席には一発のある松山である。バッテリーが慎重に慎重を期すのも仕方ないところだった。

「決して甘い球は投げない」

そう警戒して、際どいコーナーを狙って歩かせてしまったこの四球を、責めるのは酷というものかもしれない。

ただ、問題はこの四球を出した後の甘さだ。

巨人は盗塁に全く無警戒だった!

1点差の2死一塁で、すかさず一塁走者には代走の上本崇司内野手が起用された。打席にはクリス・ジョンソン投手に代わる代打の新井が入った。

このシチュエーションなら広島ベンチが動いてくる可能性が非常に高いことは予想がつく。中でも最も警戒しなければならないのは、盗塁のはずだが、ここで巨人バッテリーが全く無警戒だったのである。

初球、2球目ともにカットボールで1ボール1ストライク。そこから真っ直ぐで空振りを取って次の1球はファウルだった。

ただこの間にマウンドの畠がまったく牽制の素振りも見せず、ボールを長く持ったりマウンドを外すなど、走者の動きを制する動きを見せていなかったのだ。

そして5球目に、上本に完璧に盗まれて走られた。

第1戦では2度の盗塁を刺している強肩・小林誠司捕手でもお手上げの完璧なスチールだった。直後に新井の左翼線二塁打が飛び出して、上本が同点のホームを走り抜けたのである。

実は同じような場面が6回に巨人が先取点を奪った場面でもあった。

ジョンソンの5球もの牽制球

1死から1番の坂本勇人内野手がチーム初安打となる中前安打で出塁すると、マウンドのジョンソンは2番の田中俊太内野手の打席で、これでもかと5球も牽制球を投げて走者の動きを封じることに神経を注いでいた。さらに田中の内野ゴロで走者が入れ替わった後にも2度の牽制を試み、田中を一、二塁間に挟んでいる。

しかしこのとき一塁手のアレジャンドロ・メヒア内野手が送球の際にボールを掴み損ねて田中を二塁に行かせてしまった。そうして直後にケーシー・マギー内野手の二塁打で先取点を奪われた。

ただこの1点はある意味、仕方のない失点だったはずだ。

メヒアのミスは痛い。

しかし、盗塁やエンドランが考えられるシチュエーションで、走者に対して広島はきっちりプレッシャーをかけてはいた。

巨人ベンチに甘さがあった

ミスは許されないが、どんなに一生懸命プレーしても野球にミスはつきものである。広島としては、やるべきことはやり切っていた。そういう意味では気持ちも切り替えられる失点だったはずなのである。

巨人が8回に奪われた1点は、そのやるべきことをやり切らずに簡単にスコアリングポジションに走者を進めさせた、甘さからの失点だった。

「そやな。もうちょっと警戒せないかんかったな」

試合後にそのことを問うと、村田コーチはこう振り返った。

ただこれはバッテリーだけの責任ではないはずだ。バッテリーが打者を抑えることに汲々としているなら、むしろベンチが走者をケアするように指示を出さなければならない。

「牽制を挟め」

「1回外させろ」

ベンチからサインを出して1つひとつ、やるべきことを徹底させる。その徹底ができなかったベンチの甘さの方が罪は重い。

そう考えると広島の凄みと巨人の甘さが突出した試合であり、勝負の結末は必然だった。

個の力でしか勝つことができない。まさに高橋監督になってから3年間のベンチワークの脆弱さが、短期決戦ではっきりと出た試合だった。(鷲田康)

(※引用元 Number Web

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