カープに鯉

広島カープへの想いを届ける記事を掲載♪「カープ関連」のLINEスタンプも紹介してますヾ(*≧∀≦)ノ゙

世代交代ホークス、円熟カープ/日本シリーズはベンチワークに注目!

2018年10月26日

世代交代ホークス、円熟カープ/日本シリーズはベンチワークに注目!

短期決戦はグラウンド上の勝負はもちろんだが、もう1つ、監督が主導権を握った戦いという見方ができる。

言葉を変えれば、どれだけ監督が勇気を振り絞って采配を振るえるか。その勇気が試される戦いだということだ。

かつて日本シリーズといえば「2戦必勝主義」という考え方があった。

これはまだ交流戦やトラックマンなどのデータがなかった時代の巨人・川上哲治監督や黄金時代の西武・広岡達朗、森祇晶両監督ら、“短期決戦の鬼”と呼ばれた監督たちが考えてきた戦略だった。

第1戦はスコアラーが収集してきた相手チームのデータの確認を主眼にして、勝つことは二の次としていた。本当に大事な試合は、第1戦で確認できたデータを元にシリーズ全体のビジョンを再構築して臨む第2戦なのだ、という考えである。付け加えていえば「4つ勝つのではなく3つ負けられる」ということも、こうした監督たちはよく口にした。

要はどれだけ監督が「負ける勇気」を持てるか。その覚悟で作戦を練り、采配を振るえるかということでもある。

もちろんそうした昭和の日本シリーズと現在の日本シリーズでは、明らかに様相は変わってきている。

交流戦が変えた日本Sの戦い方

現在では、交流戦のおかげで相手の打者や投手のデータは、どのチームも実戦から収集できるようになった。またスコアラーの情報だけでなく様々なデータの数値解析によって、普段は対戦しないチーム相手でも、普段通りの準備で臨める下地は出来上がっている。

それでは現代の短期決戦では、どんなベンチワークがシリーズの勝負を分けるのか。

それはいかにベンチが積極的に選手起用や采配で動けるかなのである。

好例はクライマックスシリーズ(CS)での巨人の戦いだった。

采配の勢いは1プレーで消え去る

ファーストステージの高橋由伸監督は、シーズン中とはうって変わった積極采配でヤクルトを撃破した。

ところが広島とのファイナルステージでは1つの失敗から、その積極采配が一変した。

第1戦の1回無死一塁で、2番の田中の時に仕掛けたエンドランがファウルとなり、結果的に二ゴロ併殺に倒れた。

するとそれ以降、羹に懲りてなますを吹くように、ベンチワークが消極的になってしまい、チームはファーストステージの勢いを完全に失ってしまった。

結果的には初戦のエンドラン失敗が、巨人CS敗退の大きなポイントとなった訳である。

両監督のベンチワークの激闘が!

そこで今年の日本シリーズだ。

今季のセ・リーグを圧倒的な力で制覇した広島はもちろん、故障者続出もありペナントレースでは西武の後塵を拝したが、それでもソフトバンクの戦力は、広島に匹敵する充実度であることは誰もが認めるところだ。

だからこそ戦いの焦点は、やはりソフトバンク・工藤公康監督と広島・緒方孝市監督のベンチワークになるのではないだろうか。

西武とのCSファイナルステージでの工藤監督は、選手起用というベンチワークで、まさに勝利をもぎ取っている。

前日に西武打線が爆発して1勝1敗とされて迎えた第3戦。ここで工藤監督はチームリーダーの松田宣浩内野手を先発から外して、7番には直前に一軍に上がってきた内川聖一内野手を起用するオーダー変更を決断した。

結果的にはその策が当たって松田の代わりに起用したグラシアル内野手が3安打をはなつ大活躍で、内川も本塁打を放っての快勝。そこから一気に西武を押し切っての突破だった。

日本Sでも積極采配ができるか?

一方の広島・緒方監督も、CSでは初戦の1回に、田中広輔内野手が出塁するとすかさず2番の菊池涼介内野手とエンドランを仕掛けている。そして、次の3番・丸佳浩外野手のセカンドゴロの間に先制をしているのだ。

第2戦では、1点を追う8回に2死から代打の松山竜平外野手が歩くと、盗塁で代打新井貴浩内野手の適時二塁打を引き出している。

緒方監督はシーズン同様に機動力を駆使した積極采配で、チームをシリーズの舞台へと引き上げてきたのである。

しかし、である。

日本シリーズでは、果たしてどれだけ同じように失敗を恐れずタクトが振るえるだろうか……そこが短期決戦の怖さかもしれない。

特に緒方監督は一昨年、日本ハムに2勝4敗で敗れたシリーズで、その消極采配が敗因の1つとして指摘された苦い経験がある。

このシリーズで広島は5戦までに13回、先頭打者が出塁するケースがあった。そのうち第3戦の無死三塁を除く12度のケースで、送りバントのサインが7度出て4回成功させている。

日本ハムに敗れた第5戦の後のコメント

もちろん送りバントが悪い訳ではない。ただシーズン中の赤ヘル野球といえば、積極的にエンドランや盗塁など機動力を使って攻め込む野球なのは、当時もいまも同じなのだ。

「もう少し機動力を使った野球をやりたかったが、短期決戦は1点、1点かなと思った」

第5戦が終わった緒方監督の言葉だ。

第6戦では5番の松山が3度も先頭で出塁し、当時は6番を打っていた鈴木誠也外野手に打たせることで結果的に2度のチャンスを作って3点を奪っているが、時すでに遅しだった。

しかも昨年のDeNAとのCSファイナルステージでも5試合中4試合で1回に先頭打者が出塁したが、すべて送りバントを選択している。

強打を誇るDeNA打線を相手に、それでも頑なに1点を取りに行く野球に固執したのだ。

相手のアレックス・ラミレス監督が第1戦の1回に失敗はしたが積極的にエンドランを仕掛けるなど動いて試合を支配しようとしたのとは、まさに対照的だった。

送りバントの否定という話ではない

繰り返しになるが、送りバントを否定するわけではない。

点差や状況、相手投手と味方の打順の巡り合わせなど、監督は様々な要素を総合的に判断して作戦を決断する。その中に「送りバント」という決断はもちろんある。ただ、短期決戦の指揮官は、ともすると安全策を選択しがちで、そこで送りバントは最も多用される作戦になる。

しかし広島の野球とはもっと奔放なはずなのだ。

巨人とのファイナルステージ初戦の1回に菊池が決めたエンドランこそ、まさに広島の強さを示すものだった。

なにより広島には監督の思い切ったタクトを実行できる選手が揃っている。そのことが広島の強さであり、だから広島の野球は幅が広くなくてはならないのである。

緒方監督も経験を積んで成長した

過去2回の短期決戦では、勝負を意識するあまりに普段通りの野球ができなくなってしまっていた。それが敗れた緒方監督に向けられた声だった。ただ、指揮官もまた経験を積んで、1歩ずつ前進しているはずである。

3連覇で円熟期に入ったチームを監督がどう動かして日本一へと導くのか。

それとも昨年の日本一を頂点に世代交代の静かな波が訪れているチームを、工藤監督がどう切り盛りして連覇への道を切り開くのか。

そこに大きな勝負の分かれ目があるはずだ。

グラウンドの上のしのぎを削るような選手の戦いも見ものだが、その陰で繰り広げられる監督の暗闘もまた、日本シリーズの醍醐味である。(文:鷲田康)

(※引用元 Number Web

関連記事

本塁憤死に盗塁失敗…機動力を封じられ連敗、誠也の2戦連発1点のみ

本塁憤死に盗塁失敗…機動力を封じられ連敗、誠也の2戦連発1点のみ

日本シリーズ・第4戦(10月31日、カープ1-4ソフトバンク、ヤフオクドーム) 広島は自慢の機動力を封じられ、4番・鈴木の2戦連発となる本塁打による1点のみで連敗を喫した。 主導権を握れなかった。 初 …

會澤が『武者震い』!3年ぶりCS先発マスク、薮田とコンビ

會澤が『武者震い』!3年ぶりCS先発マスク、薮田とコンビ

広島・会沢翼捕手(29)が3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)での先発マスクを前に武者震いだ。 18日のファイナルステージ(S)第1戦(マツダ)で“開幕投手”の薮田とバッテリーを組むのはほぼ確実。 …

痛恨の『サヨナラ負け』で崖っぷち…守護神・中崎が柳田の一撃に屈す

痛恨の『サヨナラ負け』で崖っぷち…守護神・中崎が柳田の一撃に屈す

日本シリーズ・第5戦(11月1日、カープ4-5ソフトバンク、ヤフオクドーム) 広島は痛恨のサヨナラ負け。逆転で接戦を落とし、1勝3敗1分けで後がなくなった。 十回に悲劇が待っていた。守護神中崎が柳田に …