広島・床田寛樹投手(23)は、ジョンソンと先発左腕の2本柱結成を見据えた。昨年7月の左肘のトミー・ジョン手術から支えてくれた球団への感謝を伝える覚悟を示したもの。患部の経過も順調で、手術前よりも直球、変化球ともに進化している。
春季キャンプから全開で、開幕ローテーション入りへの猛アピールを仕掛ける。もう、左腕不足とは言わせない。
近年、先発ローテーションを担った先発左腕は、ジョンソンだけ。チームの課題を克服するべく、床田の言葉には自然と力がこもった。
「僕が出られれば、左はジョンソンだけとは言われない。誰かが必要なのであれば、それは僕がつかむ。表と裏で2枚いればチームとしても違うだろうし、あわよくば、ジョンソンよりも上に行きたいと思っている」
見え隠れする自信とともに、感謝の思いが原動力にもなっている。昨年7月に左肘をトミー・ジョン手術した直後、球団のトレーナー3人が渡米して最先端の知識を持ち帰った。投球練習を再開すると、徐々に感覚を戻させようと2軍の大野練習場には傾斜の緩いブルペンまで新設された。
「本当に大事にしてくれた。チームの力にならないと、そういうことをしてくれた意味がなくなってしまう」と、結果で恩返しする覚悟だ。
手術前より進化した実感もある。8月に実戦復帰してから2軍戦8試合で、防御率2・25と抜群の安定感をみせた。要因はリハビリ期間の地道なトレーニング。「真っすぐが強くなった。ツーシームもよくなってきた。これが1軍の打者に通用するのか試したい」とアピール機会を待ち望んでいる。
気温の下がるオフ期間も投球練習を行ってきた。「キャンプインからブルペンに入れるように肩を作っていきたい」と準備も問題なし。
「ブルペンでアピールできるタイプの投手ではないので、実戦で抑えてアピールするしかない。ルーキーみたいに一からローテーションを取りに行きます」と言ってすぐ、「絶対に!」と付け加えた。鈴木、薮田、野間……と赤ヘルに毎年のように現れる強力な“新戦力”。来季、その役割を床田が担っても驚かない。(河合洋介)
(※引用元 スポニチアネックス)