【平成キャンプ回想録(11)広島ドラ1東出輝裕】
沖縄、日南、大野で球団初の1・2軍混成キャンプを張った。僕らルーキーは1軍本隊とは別メニューながら沖縄スタート。ただ、黒田(博樹)さんの投球を打撃練習で打った程度の記憶しかない。
その分、日南移動後のそれは鮮明だ。
日南組を率いていたヘッドコーチの大下(剛史)さんに初対面。「おう、おまえが東出か。グラブを見せてみぃ」と言われ、いきなり「ちゃんと磨かんか!」と一喝された。沖縄にはないピリッとした空気感が日南にはあった。
前田(智徳)さんの打撃練習にも圧倒された。バットではなく、まるでラケット。軽く打っているのに、ライナーでスタンドに放り込んでいた。これは別の競技だと思った。いくら努力しても、あのレベルには達しない。
プロでは無理、やっていけないと思った。(広島打撃コーチ)
(※引用元 スポニチアネックス)