【’19キャンプ 直撃辛口インタビュー】
セ・リーグ4連覇を目指す広島の4番・鈴木誠也(24)が11日、宮崎・日南キャンプで「今季1号」を放った。昨年11月に右足首を固定していたボルトを抜いた影響で別メニューが続いていたが、今キャンプ初の紅白戦に「4番・右翼」で出場。初回に適時二塁打を放つと、第2打席で左翼へ豪快に叩き込んだ。
昨季まで強力3、4番コンビを組んでいた丸佳浩(29)が巨人へFA移籍。兄貴分への思いや、「4番候補」と期待される2020年東京五輪について本音を語った。
「4番は負けたら自分の責任」
――フリー打撃ではサク越えを連発。オフの間にまた体がデカくなった?
「よく言われるんですけど、オフの間は逆に太らないように気を付けました。18歳とかハタチ前の頃は、何をどれだけ食べても太らなかった。でも、最近は体重が落ちなくなってきたんです」
――食事制限をしている?
「2年前くらいからやっているんですけど、考えながら食べるようになりました。ササミだけ食べる? いや、何を食べるとか食べないとか、めちゃめちゃ制限しているわけではないんですけど、意識していこうかなと。栄養のこととか少しずつ勉強を始めたんですよ。それとほぼ毎朝、体重を量るようになりました。食べ過ぎてやばい時は、腹を触れば分かります」
――ウエートトレーニングをかなりやってきた?
「12月まではオフにしかできないトレーニングをして体づくりに専念しました。バットは、忘れない程度というか、ほとんど振りませんでした。1月の内川さん(ソフトバンク)との合同自主トレくらいから振り出して技術の練習を始めました」
――昨年11月に右足首のボルトを抜く手術をした。今の状態は?
「まだ完調ではないですよ。でも去年の今ごろもこんな感じでした。だから無理はしないで、できる練習、やれる練習を確実にやっていくことにしています。練習内容で特に大きく変わったことはありません」
――丸が巨人へFA移籍。不動の3番打者が抜けたことで、より4番の責任が増すことになる?
「かっこいいことを言うと、4番を任された時から、負けたら自分の責任だと思って試合に出ています。だから丸さんが抜けたからって、さらに責任が増すという感覚はありません。丸さんがいても、ボクへの投手の攻め方は毎年厳しくなっていました。よくそう言われるんですけど、気持ちの部分で特別変わることはありません」
――とはいえ、丸がいる巨人には例年以上に負けたくないのでは?
「負けたくないのは毎年一緒です。去年だって負けたくない、勝ちたいと思ってスタートした」
――昨年4月末から丸が(右太もも裏の筋挫傷で)約1カ月間離脱していた時期(主に5月)もチームは勝っていた(5月=11勝9敗1分け)。
「そうはいっても、やっぱりハナ(最初)からいないのはちょっと違うかもしれませんね。でもその分、若い選手のチャンスが増えるわけでしょう。チームはそうやって回っていくわけで、カープはそういう状況に慣れています。きっと新しい選手が出てくると思います」
「流されない人だから大丈夫」
――丸への思いは?
「(プロ入りして)最初の頃、自主トレを一緒にやってもらったり、丸さんに面倒を見てもらっていたので、正直なところ寂しさはあります」
――一部の過激なファンが丸を「裏切り者」などと攻撃してネットが炎上している。
「丸さんには周囲をギャフンと言わせて欲しいんです。そういう声とかプレッシャーでダメなんじゃないかとか……。もし結果が出なかったらボクも嫌ですし、丸さんには常に凄い丸さんであって欲しいですから」
――丸と連絡は取った?
「この前、『大丈夫ですか?』って電話しました。(広島と巨人では)いろいろ違うみたいだけど、丸さんはマイペースで流されない人なので、大丈夫だと思います」
――丸の人的補償として巨人から長野が加入。キャンプ地はフィーバーに沸いている。
「明るい人ですね。でもボクたちにはまだ気を使っている感じがします。野球の話はまだあまりしていないんですけど、開幕までに馴染んでもらえたらいいですね」
――侍ジャパンの稲葉監督から「東京五輪の4番候補」と期待される。自身も「打ちたい」と言っていた。
「あのときは言いましたけど、まずは代表に選ばれないことには始まりません。そのために、というより、今シーズンを頑張った結果が来年の東京五輪につながったらうれしいですね。そのためにも、まずは今季、頑張ります」(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)
(※引用元 日刊ゲンダイ)