巨人は4日、広島とのオープン戦2連戦(5、6日=マツダ)に備え、広島入りした。このオフにフリーエージェント(FA)権を行使し、5年総額25億5000万円の大型契約で巨人入りした丸佳浩外野手(29)は、11年間在籍した古巣の本拠地に初めて舞い戻る。新たなユニホームを着て、敵として戦う覚悟を示した。
こみ上げてくる思いは胸に閉じ込める。丸が巨人のユニホームを着て、かつての“庭”に帰る。
「今までは一塁ベンチで試合をやってきた。今回は三塁側になるし、景色、雰囲気も違うと思う。開幕はマツダで試合なので、雰囲気とかを知るためにも大事な2試合になる」
2013年から広島の主力だった丸はリーグ3連覇した昨季終了後、宣言残留も認める構えだった古巣を出て、「環境を変えて一から勝負したい」と巨人入り。2年連続セ・リーグMVPの金看板を引っさげ、リーグ優勝から遠ざかる名門の復活を託された。
巨人は最近2年の広島戦で14勝35敗1分け(昨季は7勝17敗1分け)と、大きく負け越している。古巣を倒さなくては“使命”は果たせないことは承知だ。
今季のキーマンとして高い注目を集める丸は、オープン戦では2番打者として起用されており、広島戦も出場する予定。「カープの投手陣とは今まで真剣勝負はなかなかなかった。持ち球の球種とかは分かるけど、真剣勝負の中での球の軌道とかは打席に立ってみないと分からない部分もある」と、古巣との対戦を見据えた。
2008年には広島からFAで阪神に移籍した新井貴浩が春に広島市民球場に戻ってきた試合で、レプリカユニホームがグラウンドに投げ捨てられ、ブーイングを受けた過去もある。熱狂的で知られる鯉党は巨人・丸をどう迎え入れるのかなど、注目の2試合となる。
「プロである以上、割り切ってやらなければいけない」と丸。広島を黄金期に導いた男が、“昨日の友”に立ち向かう。
(※引用元 サンケイスポーツ)