2位の広島が今季ワーストタイの5連敗(1引き分けを挟む)で本拠地マツダでは4年ぶりの6連敗を喫した。最大14あった貯金は1に。昨季までの3連覇を支えた「本拠地での無類の強さ」や「お家芸の逆転劇」が鳴りを潜めている。赤ヘルは現状を打破できるのか。広島担当の田中昌宏記者が見た。
4点ビハインドから1点を返し、なお1死満塁の3回。しかし、鈴木は三ゴロ併殺打に倒れ、唇をかんだ。本拠地の熱狂的な応援もむなしく、4回以降はゼロ行進。マツダでの6連敗は昨季までの3連覇中、一度もなかった異常事態だ。今季14度目の逆転負けを食らい、逆転勝ちの数と同じとなった。
16~18年に逆転勝ちが45、41、41度で、いずれもリーグ最多だった“逆転の鯉”の面影はない。
良くも悪くも今季の広島は、“チーム誠也”になっている。4月前半の不調と後半の盛り返し。5月の球団最多月間20勝。6月以降の急降下。鈴木とチームの成績が別掲のようにリンクする。現状も7試合連続で打点なし。「得点圏で打てなかったら自分が得点圏に進まないと」。
6回2死から左前の当たりで二塁を陥れるなど二塁打を2本放ったが、やはり主砲のバットで点を取らないと勝てない。
丸の抜けた今季、他の主軸打者の成績が落ちると鈴木にマークが集中し、次いで鈴木自身の調子が落ちることが多い。「いい時ばかりじゃない。いい勉強だと思って1試合1試合無駄にしないようにしたい」。昨季は本拠で45勝25敗2分けと貯金20を荒稼ぎしたが、今季は20勝19敗1分けと地の利を生かせていない。
マツダは連日の満員御礼が続くが、最近は年間シートを中心に空席も目立つ。王者の輝きを取り戻すには、主砲が打ちまくるしかないのが現状だ。
(※引用元 スポーツ報知)