連敗の陰で鉄拳が飛んでいた。24日、広島は15日付で緒方孝市監督(50)を厳重注意処分としていたことを発表した。
事の発端は6月30日のDeNA戦。延長十一回、1死走者なしの場面で打席に立った野間峻祥(26)がポップフライを打ち上げ、その打球を投手のエスコバーが落球。しかし野間は全力疾走を怠ってあっさりアウトになり、試合は引き分けに終わった。この怠慢プレーに指揮官は激怒。試合後、監督室に呼び出した野間を平手で複数回殴ったという。
広島ナインは全力疾走が体に染み込んでいる。他球団では助っ人やベテランが加減して走る見慣れた光景だが、広島ではバティスタも全力疾走を欠かさない。
そんな伝統の野球スタイルを貫く緒方監督は、懲罰采配も辞さない。今回鉄拳を食らった野間が今年3月、二軍開幕戦で本塁を踏み忘れてアウトになったことに激怒し、一軍合流を取り消し。さらに、先月には初回で5失点を喫した野村を1イニングで降板させ、即二軍行きを通達した。
「他球団に比べても若い選手が多い広島で、時代遅れのパワハラ采配をしているため、求心力はガタ落ち。連敗中、選手にチームの雰囲気を聞くと必ず『選手同士“は”雰囲気悪くはないですよ』と言う。監督は試合前の練習中も選手と話すことは少なく、外野から練習風景を見ているのがおなじみの光景です」(放送局関係者)
5年目を迎える緒方監督は、今季が契約の最終年。山本浩二政権以降、広島の監督は「最長5年」が暗黙のルールとされ、緒方監督もその慣例にのっとって今季でユニホームを脱ぐと思われていた。ところが、今月14日に松田オーナーが来季の続投を示唆。処分を受ける前日の発言だったが、今回の一件で去就への影響は避けられそうにない。
ちなみに、緒方監督が試合前にナインを集めて謝罪したその日、11連敗がストップ。この日、勝って5連勝としたチームの復調も、監督の去就に無関係ではないともっぱらだ。暴力発覚で緒方監督は今季限りが濃厚となれば選手は発奮、チームにとってはプラスになりそうだ。
(※引用元 日刊ゲンダイ)