連敗、連勝、また連敗
強いのか弱いのか、さっぱりわからない。それが4連覇を目指す、今シーズンの広島カープの姿です。
スタートダッシュに失敗し、4月7日から12日にかけて5連敗したかと思うと、17日から27日にかけて8連勝。最大で8つあった借金を、わずか12日で完済し、「さあ、ここからは貯金週間だ」とカープファンが小躍りしたのも束の間、28日から5月1日かけて今度は4連敗です。
「やっぱり4連覇は難しいのォ……」。カープファンが弱音を口にし始めた5月、コイは急に勢いを取り戻しました。11日から25日にかけて、球団記録にあとひとつと迫る11連勝をマークしたのです。
5月の戦績は20勝4敗1分け。勝率8割3分3厘。いずれも球団の月間記録でした。6月1日の時点では2位阪神に5.0ゲーム差をつけ、カープファンは左うちわでした。「4連覇はもう決まったも同然じゃわい」。
ところが6月に入ると落とし穴が待っていました。4日から始まったセ・パ交流戦で5勝12敗1分けと、大きく負け越してしまったのです。交流戦の戦績は12球団ワーストでした。
交流戦がスタートする前は2位阪神に4.0ゲーム差をつけて首位を走っていたカープですが、終わっての順位は2位。入れ替わって首位に立ったのは巨人でした。
「V率100%」の法則は果たして…
交流戦失速の理由は貧打でした。交流戦がスタートするまで2割6分だった打率が、交流戦中は2割1分6厘と急降下してしまったのです。もちろん、これは12球団最低の数字でした。
交流戦の失速は7月に入ってからも尾を引きました。6月28日から7月10日まで、1分けをはさんで11連敗。15日の横浜DeNA戦で連敗をストップしたものの、16、17日と連敗すると、ついに首位・巨人とのゲーム差は12にまで広がりました。「4連覇は諦めた。Aクラス狙いに切り換えるべきかのォ」。ファンからは、こんな声が漏れ始めました。
ところが、です。ここからまた息を吹き返すのですから、今シーズンのカープは冒頭で述べたように、強いのか弱いのか、さっぱりわかりません。19日から28日にかけて9連勝を記録したのです。
28日付けの日刊スポーツには、次のような見出しが躍りました。
<広島8連勝 3度目 V率100%>
先述したように8連勝以上は4月17日~27日、5月11日~25日、7月19日~29日と、今シーズン3度目です。
同紙によると<セ・リーグで8連勝以上を3度記録した過去7チームはすべて優勝している>そうです。カープファンには朗報ですが、一方で過去の優勝チームで、10連敗以上したチームはひとつもない、というデータもあります。
ファンにすればジェットコースターに乗せられたような心境でしょう。果たして無事、目的地に到着することはできるのでしょうか……。
(※引用元 現代ビジネス)